AIIBと世界銀行、ADBは一体どのような関係になるのだろうか。江副院長は、「世界銀行とADBの主要な業務内容と投資先はAIIBと異なる。世界銀行とADBは主に開発支援と貧困扶助に力を入れており、中国が呼びかけるAIIBは主にインフラ建設への融資や投資に力を入れるものとなる。両者は補完し合う関係にあり、競争する関係にはない。日本が競争関係とみなす理由は、つまるところ中国が国際金融の新局面の調整で有利な立場に立つのを見たくないからだ」と説明する。
創設メンバーの申請期限が過ぎてから参加した場合は一般のメンバーになる。創設メンバーと一般メンバーにはどのような違いがあるのだろうか。江副院長は、「両者は地位が異なる。創設メンバーは設立の主体であり、AIIBの設立過程で各国の出資の条件や貢献を平等な立場で模索することができる。これには出資の割合、AIIBでの役割、運営モデルなどが含まれ、いうなればルールの制定者になる。一般メンバーは後から参加した者であり、できあがったメカニズムに対することになる。これには二国間の制約のメカニズムが含まれ、交渉を経なければ参加することはできない。一般メンバーとして参加しようとする国は評価を受けてから出資比率と役割が決まり、これは査定を受けるようなものだ」と話す。
また江副院長は、「これまでの取り決めにより、米国は3月31日までに参加の意向を示さなければ創設メンバーになる機会を逸する。だが米国には他のメンバーにはない特殊性があり、今後は何か柔軟な方法を採る可能性もある」と指摘する。
江副院長は欧州の4大国やオーストラリア、韓国などが素早く参加に転じたことについて、「こうした国々は国際金融システムにおけるインフラ建設分野で貢献したい、国際的な義務を果たしたいと考えている。政治的な思惑がより大きく、総合的にみてAIIBに参加した方が有利だと考えたのだ」と分析する。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年4月2日