第1に、今後日本はどのような国になるべきか。引き続き平和の道を歩む、平和憲法の国か。それともかつての道に戻り、軍国主義の負の遺産を拾い、再び海外の各地に派兵する国か。「人質危機」は導火線であると同時に、目を覚まさせるものでもある。もし今回の殺害事件から教訓を汲み取り、対米追従、軍拡・戦争への備えの道が良くなく、袋小路でもあることを明確に認識するのなら、最善の策と知恵をわきまえた人物だと言える。反対に、もし「人質危機」をこれ幸いと受け止め、憲法改正と海外派兵の絶好の口実を見つけた、「安倍外交」の絶好の説明材料を見つけた、さらには中東を「海外派兵」の試行地区にできると考えるのなら、非常に危険であり、日増しに米国の代わりに「火中の栗を拾う」「役に立つ道具」となるだけだ。その場合「砲火の餌食」となるのは、まさに普通の日本国民だ。
第2に、今後日本外交はどのような外交であるべきか。善隣友好で、包容性を備え、かついかなる価値観色も帯びない中立外交か。それとも災いを隣国に押しつけ、狭隘で攻撃性を備え、かつ価値観色の濃い偏向外交か。「人質危機」によって露呈した大きな問題は、日本外交(正確には安倍外交)が正しい針路からかけ離れており、「親米色」の濃い価値観外交は日本にいくらかの利益ももたらさないだけでなく、反対に際限がない災いをもたらすことを物語っている。(文:厖中鵬・中国社会科学院日本研究所学者)(編集NA)
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「人民網日本語版」2015年2月3日