安倍晋三首相は29日の衆院予算委員会で、米国の公立学校で採用されている歴史教科書に、南京大虐殺で40万人が死亡したと記載されている件について、歴史を歪曲しているとした。環球時報が伝えた。
日本はこれまで、幾度にもわたり歴史教科書を改訂し、真実の歴史をないがしろにしてきた。産経新聞の報道によると、安倍首相は同日、上述の米国の歴史教科書について、「本当に愕然とした。主張、訂正すべき点を国際社会に向かってしてこなかった結果だ」と述べ、誤解を解くための国際発信に努める考えを示した。
南京大虐殺の犠牲者数に関し、中国政府および学界は30万人との見解を発表しているが、40万人と主張する研究もある。専門家は、「米国の教科書のデータは『愕然とする』に値しない。むしろ、南京大虐殺を否定しようとする日本の態度こそが愕然とする」と指摘。
日本政府は2003年、ある高校日本史教科書が、南京大虐殺の犠牲者について「数万人-四十万人に及ぶ説がある」としていた個所を削除し、日本軍が「多数の中国人」を殺害したとの内容に変更している。
歴史問題に対する日本の認識のずれが見られるのは、南京大虐殺問題だけではない。産経新聞は報道の中で、中国国家海洋局が発表した釣魚島(日本名・尖閣諸島)に関する資料には誤りがあり、中国が釣魚島を「明代から中国固有の領土」と主張していることについて、「杜撰(ずさん)な点が目立つ」としている。
日本メディアはここ数日、安倍首相を集中攻撃している。日刊ゲンダイは29日、安倍首相について、「いよいよ『ウルトラ右翼』の本性がムキ出しになってきた」と指摘、「8月にも公表する『戦後70年談話』について、植民地支配や侵略戦争を認めた 『村山談話(戦後50年)』や『小泉談話(同60年)』など、歴代内閣の談話の記述を踏襲しない考えを明らかにした安倍首相」「やりたい放題の安倍首相は、テロとの戦いを口実に“参戦する”と言い出しかねない。暴走を早く止めないと戦前の暗黒時代に逆戻りだ」と批判した。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年1月30日