この世に斜陽産業は存在しない。あるのは斜陽企業と斜陽の人だけだ。量的拡張から質的向上に向け、中国製造業は今まさに最終段階に入っている。新華網が伝えた。
■「メイド・イン・ジャパン」のささやかな逆襲
日本旅行に行ったついでに、電気炊飯器を購入し、持ち帰るというのが、中国人のオシャレなブームとなってしばらく経つ。数年前から、東京の秋葉原には、いたるところで電気炊飯器を抱える中国人旅行者を見かけるようになった。しかし、正直、この現象の理由がよくわからなかった。「日本の電気炊飯器は本当にそんなにすごいのだろうか?」。
1カ月程前、炊飯器で中国トップシェアを誇る中国の大手家電メーカーの「美的(Midea)」のショールームを見学した際、案内してくれた技術者にこの疑問をぶつけてみた。
技術者の張氏はしばし沈黙した後、「日本へ訪れた際、幹部の指示でいくつかの電気炊飯器を購入して持ち帰り、研究したことがある。日本の電気炊飯器の内釜の素材には革新的な技術が込められている。炊き上がった米は水晶のようで、粘り気もちょうどよく、実に素晴らしかった」と語った。
1981年に創立した美的は1993年から電気炊飯器の製造を開始した。日本の三洋電機と技術提携し、ファジィ―制御装置を導入し、中国炊飯器市場のリーディングカンパニーとなった。近年、市場シェアの逆転で、競合関係にも微妙な変化が生まれている。そのため、日本企業は中国企業に技術を輸出しなくなりつつある。「新たな技術を応用した多くの家電製品は、技術の流出を恐れ、中国企業に対して技術封鎖を行うだけでなく、製品自体も販売されなくなってきた。電気炊飯器もまさにそうだ」と張氏は語る。
つまり、長い間、「メイド・イン・チャイナ」が推進してきた「市場を技術に変える」という後発としての戦略はすでに失敗しているということだ。