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国際金融市場の変動が警告するもの

人民網日本語版 2014年12月19日08:17

国際金融市場が多難な時期を迎えている。原油価格はピーク時の150ドル(1ドルは約118.4円)に比べ3分の2ほど下落し、ルーブルは年初から約60%も大幅に下落し、湾岸の産油国とノルウェーの外国為替市場および株式市場が暴落し、ドル高が進む一方で円とユーロは値下がりしている。(文:梅新育・商務部<商務省>研究院研究員)

このようなすべての変動は、とどのつまり一次製品産業と米国の金融政策の変更によってもたらされたものだ。石油市場やルーブル相場の下落の背後には何らかの操作が行われた可能性もあるが、大きな流れは経済の基本的側面により決定されている。こうしたすべてのことが、私たちに警告するものは何だろうか。

最もわかりやすい警告は、これからもずっとマクロ経済の安定的な運営を注視し、国際収支の差額や外貨準備を冷静に見据えるべきだということだ。金融がグローバル化する世界にあって、通貨の覇権を握らない国はすべて、投機マネーの攻撃を受けるリスクから完全に自由ではいられず、外貨準備はリスク対応のための保険になるということだ。通貨の覇権を握る国の政策決定者は過去数十年にわたり、「米ドルは私たちの通貨だが、あなた方の問題だ」、「米連邦準備制度理事会(FRB)はルーブル危機のために将来の金利引き上げの歩みを遅らせることはない」などと率直に語り、中国にのぼせ上がってはならないと絶えず警告を与えてきた。

経済大国の中では、ロシアの財政指標が穏当といえる。ロシアの13年末の外貨準備は4564億ドル、11月28日現在では4205億ドルだった。現在のルーブルの急激な下落は経済の基本的側面の崩壊を意味するのではなく、投機マネーの攻撃を受けたためということができる。

より重要な警告は、中国の製造業の基礎をしっかりと固め、資源をめぐるポピュリズムを脱する必要があるということだ。通貨や金融市場の変動が最も激しい国はいずれ資源輸出国であり、過去10年間に一次製品市場の好調さを受けてよい時期を過ごしてきた国ばかりだ。

資源生産エリアの人々にとって、自然資源がもたらす利益を独占しようとの主張には確かに大きな魅力があり、産業革命の発祥地の英国でも、スコットランド独立をめぐる住民投票が行われた時にこれを支持した人の中で最もよく主張されたのは、スコットランドが独立すれば北海の石油の権益を独占できるようになるということだった。だが全体としていえることは、他の条件が同じでも、製造業が駆動する経済成長に比べ、一次製品産業が駆動する経済成長には克服できない一連の弱点がある。経済の波及力の強さ、所得分配のアンバランスと両極化の激化、深刻な資産バブル、社会矛盾の激化などだ。

新興市場は、さらに世界経済全体は現在、10年間続く可能性がある変動と分かれの時を迎えている。当然のことだが、中国は他の多くの新興市場とは異なり、何世代もの人々の奮闘によって世界一の製造業大国になり、世界で唯一、国際連合の国際標準産業分類にあるすべての工業分野を網羅する国になり、昨年の設備製造業の生産額世界全体の3分の1を占める国になり、より持続可能で、より公平性に配慮し、より安定した経済産業システムが備わるようになったという実績がある。こうした卓越した条件を備える中国が、数十年前や百年ほど前の農業・鉱業資源生産国の考え方に戻って問題に対処するわけにはいかない。(編集KS)

「人民網日本語版」2014年12月19日

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