このような現象は電気炊飯器だけに起こっているのではなく、訪日した中国人団体客のショッピングリストからも氷山の一角である事実が見て取れる。
多くの人が購入するドライヤーには、プラズムクラスターイオンの技術が採用されている。セラミック包丁は、通常のステンレス包丁の60倍もの耐久度を持つ。ステンレスボトルは、真空二層構造による高い保温性を誇り、ボトルの内部は汚れがつきにくいステンレス鏡面仕上げ、蓋は密封性に富んだ安全ロック方式が採られている。
最も驚かされたのは、便座を購入した人もいることだ。
この便座は、決して安くない。販売価格は2000元(約3万7700円)で、抗菌加工が施され、洗浄機能や瞬時に温める機能を持つ。最もすごいのは、どんな形の便器にも使用できることだ。免税店の日本人販売員は、喜びの表情を隠しきれない様子で、「中国の団体客が来れば、毎日確実に売り切れる」と中国語で説明した。
■「メイド・イン・チャイナ」の未来は、どこへ向かうのか?
電気炊飯器から便座まで、これらのすべてがいわゆる伝統産業に属している。しかし、これらの商品が衰退し、利益を生まなくなるかどうかは、完全に技術と理念の革新にかかっている。これは、「この世に斜陽産業は存在しない。あるのは斜陽の企業と斜陽の人だけだ」ということを意味している。
苦境に陥っている製造業者は、外部に助けを求め、慣れない戦場で運に任せるばかりだ。それなら自分の力で苦境を乗り越え、よく知っている本業で、懸命に努力をして、先鋭的な技術革新に取り組むべきだ。量的拡張から質的向上に向かって、中国製造業は最終段階に入っている。