上海交通大学はこのほど、同校の海洋工学国家重点実験室の研究チームが開発した「深海プラットフォーム安全保障観測システム」が、中国の南中国海の石油掘削プラットフォーム「海洋石油981」に採用されたことを発表した。同システムは日夜監視に当たり、事故を未然に防いでいる。科技日報が伝えた。
海上油ガス田の開発はハイコスト・ハイテク・ハイリスクの「三高」業界で、事故が発生した場合は原油による汚染が発生し、生態系に悪影響がもたらされる。
中国の3分の1の油ガス資源は、風が強く波が荒れる、地形が複雑な南中国海の沖に位置し、開発と利用が待たれている。同実験室は2010年より、中国独自のコア技術体系を構築するため、半潜水型石油掘削プラットフォーム「海洋石油981」の現場観測プロジェクトの研究を進めてきた。
同システムは同プラットフォームの各種データをリアルタイムで観測できる。同システムは24時間の健康測定機器のようなもので、プラットフォームの「心拍」「血圧」「呼吸」「体温」などの重要データをリアルタイムで測定できる。また風力、風向き、波、潮、流れ、塩度などの海洋環境条件のプラットフォームの稼働に対する影響を調べることができる。これらのデータは分析・対照などの処理後、指揮センターと専門家に送られる。異常があれば、事故発生前に問題とリスクを解消できる。
同システムはビッグデータ、高精度リアルタイム観測、衛星通信、人工知能、3Dシミュレーションなど数多くの技術を融合させており、長時間に渡り自動で観測とデータ収集を実施することも可能だ。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年1月22日