今年は中国が改革を全面的に深化させる上での節目の年だ。経済が新常態(ニューノーマル)に移行したことを背景として、多くの問題に関心が集まっている。今年の経済成長ペースは引き続き鈍化するか。再び金利引き下げや預金準備率引き下げが行われるか。株式市場、不動産市場、原油価格の動きはどうか。新年の始まりにあたって、専門家をたずね、2015年の中国経済をともに展望してみた。中国新聞網が伝えた。
▽展望1:GDP増加率は引き続き鈍化?
中国経済への下方圧力が増大していることは共通認識になっており、このため中国の政策決定層は安定的成長を2015年の経済の最優先任務に据える。安定的成長と改革促進の圧力を受けて、15年の中国経済成長率はどのような動きをみせるだろうか。
国家情報センターの祝宝良経済予測部長は、「2014年の中国経済の成長率は7.3%前後となる見込みだ。不動産市場の継続的な落ち込みを受け、15年の成長率は14年よりも低下して、7%前後になる可能性がある。(中国経済を牽引する消費、投資、輸出の)『トロイカ』をみると、15年の対外貿易は前年よりやや好転し、消費は基本的に安定し、投資は取り組みに力が入るものの、地方の資金調達能力が政策による制限を受けるとみられる。全体として、15年の経済成長は低下傾向をみせるが、大幅な低下にはならない」と話す。
北京大学経済学院の曹和平教授(同学院発展経済学部長)は、「新常態の下での経済成長とは、成長率8.5~11.5%の高度成長から6.5~8.5%の中くらいの成長へ移行することを意味し、こうした調整の過程で、中国経済に崖っぷちに硬着陸するような事態は出現しないとみられる。経済自身が下振れ周期と構造調整の痛みの時期にある中、今年の第1四半期(1-3月)および第2四半期(4-6月)の国内総生産(GDP)成長率は7%を下回る可能性が高いが、第3四半期(7-9月)は安定的に回復上昇して、通年で7%前後の成長率を維持することに楽観的な見通しをもっている」と話す。