しかし、日本側のその後の行動は、両国関係の発展にむけた誠意を見せるどころか、その全く逆のものだった。日本の官僚は4つの共通認識についてあげつらい、否定し始めたのだ。
日本が真っ先に否定したのは釣魚島の問題だった。石破茂地方創生担当相は日本のテレビ番組に出演した際、4つの共通認識について「日本の姿勢はまったく変わらない」と語った。つまりこれは、日本は依然として領土問題があることを認めないという意味だ。岸田文雄外相も記者会見で、たしかに中日両国は東中国海の情勢について「異なる見解を有している」ことを発表したが、「尖閣に領土問題は存在しないとする日本政府の立場は全く変わっていない」との認識を強調した。まるで言葉遊びだ。岸田外相はさらに、「見解の相違」の具体例として、中国が昨年11月に東中国海上空に防空識別圏を設定したことや、海底資源の掘削を一方的に行っていることを挙げるなど、両国関係悪化の責任を明らかに中国に押し付けようとした。
これらの声を受けて、日本メディアも一斉に、中日の4つの共通認識の解釈の違いや効力をめぐり、様々な記事を書きたてた。
このような態度を見ると、日本側は、4つの共通認識を中日関係改善の重要な条件とは思っておらず、ただ首脳会談を実現させるための「踏み台」としか捉えていないのではないかと疑問に思う。
一国の指導者は「会うこと自体が目的」になってはいけない。会った後に、両国関係が好転するどころか、何の成果も得られないような首脳会談は、むしろ両国関係に副作用をもたらす。ここ数カ月、両国は外交ルートを通じて中日関係の政治的障害を克服するために様々な協議を行い、多大なる努力を行ってきた。日本は、この得がたい成果を棒に振り、中日関係の悪化がもたらす深刻な影響を被ればどうなるかを真剣に考えなければならない。
日本は今、経済大国という身分に飽き足らず、政治大国になろうとしている。政治大国になるには、実力や同盟国の支持だけでなく、国際的な信用と影響力も必要だ。今回、4つの共通認識で合意に達したのは、両国の高官だ。谷内氏は安倍氏のブレーンでもある。岸田外相も参議院外交防衛委員会で、同共通認識について、「日中の協議の結果であり、尊重されるべきだ」と語っている。この共通認識を軽率に否定すれば、日本は国際社会からの信頼を失うことになるだろう。(編集SN)
「人民網日本語版」2014年11月15日