公園の一角 美しい中国伝統楽器の音色をバックに歌をうたう人々
中国の公園はとにかく活気がある。朝から晩まで人が賑わい、いたるところで、トランプや将棋、ダンス、太極拳など様々な活動に興じる人々の姿が見られる。恐らく、公共スペースと個人スペースが日本ほど厳格に意識されていないせいか、人々は公園をまるで我が家の庭のように思う存分利用し、リラックスしながら楽しんでいる。
北京の数ある公園の中で、地下鉄10号線の呼家楼駅から程近い団結湖公園は、比較的地味な存在と言える。有名な史跡というわけでも観光地でもないからだろう。だからといって団結湖公園を侮ってはならない。北京の比較的中心地にありながら、江南の有名庭園を模して造られた人工湖でボートに乗ることもできれば、児童用の小さな遊園施設もあり、規模は小さいがプールやウォータースライダーまで揃っている。地元の市民にとっては非常にバランスの取れた都会のオアシス的存在なのだ。
この団結湖公園を「北京のお気に入り」として推薦してくれたのは、地酒ダイニング「sake MANZO」の店長を務める時田馨子(35)さんだ。
――これまでずっとサービス業で働いてきたので、稼ぎ時の週末に休んだことがなく、世の中の休日っぽい雰囲気を味わったことがなかったんです。でも北京では、社会人になって初めて土曜日に休みをもらえるようになったので、休日の雰囲気を満喫したくて会社や自宅から近い団結湖公園によく来ています。
中国の人って本当に公園を満喫してるんですよ。歌ったり、踊ったり、二胡を弾いたり、家族で集まったり、普通の公園なのにみんなピクニックみたいに楽しんでて。そこに行っただけで、「私休日を休んでいる!」という気持ちになれるし、人々が楽しんでいる姿を見るのが好きなんです。