講演する鈴木博士
2010年にノーベル化学賞を受賞した鈴木章博士(84)が28日午後、独立行政法人科学技術振興機構(JST)が今年4月から進める「日本・アジア青少年サイエンス 交流事業」に参加。30以上の地域から来た中国人の高校生71人と千葉県の高校2校の学生29人を前に、長年研究に専念し、ついにノーベル賞を受賞した経験を生き生きと語り、学生の質問に答えた。同事業は、産学官の緊密な連携により、優秀なアジアの青少年が日本に短期滞在し、未来を担うアジアと日本の青少年が科学技術の分野で交流を深めることを目指している。アジアの青少年に日本の最先端の科学技術への関心を高めてもらうのが狙いだ。人民網が報じた。
参加した学生達と鈴木博士が記念写真
好きこそものの上手なれ
一貫して有機ホウ素化合物を用いた有機合成反応の研究に携わり、同分野において多大な貢献をしてきた鈴木博士は、自身の研究の経験を語る際、まず2冊の本を紹介した。1冊目は、米有機化学者・ルイス・フィーザーが妻のマリー・フィーザーと出版した「有機化学」で、33回読んで化学に対して強い興味を持つようになり、大学院理学研究科化学を専攻するようになったことを語った。もう1冊は、米パデュー大学のハーバート・ブラウン教授の著作で、同教授は自身の恩師にもなったという。