自由貿易区は政府の改革であるだけではなく、税関・通関、サービス業開放、金融国際化などにも関わる措置であり、一般市民の生活にもさまざまな便宜をもたらす。上海自由貿易区が設立されて約半年経つが、すでに国内のショッピング、観光、レジャー、医療などの業界に多くのより良い選択肢をもたらしている。人民日報海外版が伝えた。
▽ショッピング:海外ブランドの正規品が2-3割安く
自由貿易区と聞いて、多くの消費者が期待するのは「免税商品の購入」だ。免税はさすがに不可能だが、自由貿易区の保税のメリットと「前が店舗、裏が倉庫」という商品販売モデルにより、国内の一般店舗よりも安く海外ブランド品を購入することができるようになった。
近頃、上海自由貿易区の近くに保税展示取引プラットフォーム「森蘭商都」が開業した。外から見ると普通のデパートとなんら変わりがないが、内部の商品流通プロセスが大きく異なっている。
輸入物のブランドバッグを例にすると、これまではサプライヤーが申請を出し、通関申告、分類をし、税金を納付した後に初めて店舗で販売することができた。この間さまざまな中間業者にマージンを支払うため、かさんだコストが結局消費者に転嫁されていた。しかし、保税展示取引プラットフォームでは、輸入品がまず倉庫に収められ、一部分が店舗内で展示されている。商品を展示する前に税を納付する必要はなく、消費者が購入時に直接税を支払う。
森蘭商都の投資を行った上海外高橋保税区開発股フェン公司の王海松副総経理は「このような販売モデルには2つのメリットがある。まず、消費者が購入時に税を支払うため、サプライヤーは税を先払いする必要がない。売れ残った商品はまた別の市場に回すことができ、コストが大幅に削減される。次に、商品の直売が実現し、代理販売業者等に払う中間マージンがない。これによりコストが削減され、その分は消費者に還元される。推計によると、同プラットフォーム上の商品価格は国内の一般店舗の小売価格に比べて2割前後安くなる」と語る。
▽観光:海外旅行業務取扱資格の条件が緩和、競争が一層激しく
休暇に海外旅行に出かける中国人が増えるに伴い、クレーム率も急速に高まっており、より良い選択肢を求める旅行者の声も増加している。