ショートメール送信量が減少 チャットアプリの人気を反映 (2)
打撃を受けたのは中国の通信キャリアばかりではない。通信業界調査会社の欧文コンサルティングは、「多くのスマートフォンユーザーが無料のショートメッセージアプリの使用に切り替えるに伴い、2012年末までに世界通信キャリアのショートメール収入が230億ドル減少する」と予想した。
市場マーケティングの専門家の王イク全氏は、「このような低迷は、世界の通信キャリアが市場チャンスの発見をなおざりにしたため生じた。通信キャリアが提供するサービスの方が基礎的であり、生活に根ざしているため、これを上手に運営すれば微信がチャンスを手にすることはなかった。例えば微信は現在グループチャットを提供しているが、通信キャリアは同様の機能を提供していない。通信サービスの発展後、基礎的な通信サービスにはアップグレードの需要が生まれる」と指摘した。
通信キャリアが対策に追われる中、微信は前進のペースを加速している。微信はすでに、ショートメッセージ、テキストチャット、ボイスチャットの機能を提供している。
アイリサーチの劉大竜シニアアナリストは、「現状を見ると、通信キャリアは新たなサービスを続々と提供しているが、インターネット企業に対応できる効果的な武器を持たない。通信キャリアは単純なデータ送信企業に成り下がるのを防ぐため、インターネットサービスに歩み寄りを見せるだろう。チャイナ・モバイルは『飛信』を、チャイナ・テレコムは『易聊』を、チャイナ・ユニコムも同様のチャットアプリを提供しているが、現在のすう勢に柔軟に対応していない」と指摘する。
マッチ棒は最終的にライターによって、フィルムはSDカードによって、ポケベルは携帯電話によって代替された。業界関係者は、「ショートメールの送信量の減少は一つの始まりに過ぎず、データ通信が主導となる時代が始まった」と指摘した。
王氏は、「ショートメールと微信の融合が進んでいる。ショートメールが将来的に完全に消滅する可能性はないが、料金は低下を続け、無料になる可能性もある。またユーザーによるサービス使用も、有料と無料の区別があいまいになり、融合されていくだろう」と分析した。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年1月30日