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円安進行 中日の競合が激化

 このほど開催されたダボス会議において、一部の国家の指導者と金融界の有力者は安倍政権の金融緩和策をこぞって非難し、日本が「金融戦争」を引き起こしているとした。日本の量的緩和策は、本当に世界金融戦争を引き起こしうるのだろうか。環球時報が伝えた。(文:周永生・中国日本経済学会理事)

 中国には、「重病の治療には劇薬を用いる」という古いことわざがある。20数年間に渡り低迷している日本経済にとって、安倍首相の2000億ドル規模の量的緩和策は、「劇薬」の程度に遠く及ばない。歴代の日本政府が投じた8000億ドルの資金はすでにほぼ使い尽くされたが、日本経済の起死回生の効果に達しておらず、世界金融に対しても大きな影響を及ぼしていない。むしろ日本経済の世界に対する影響力が日増しに低下している。細かさを重視する考え方の制限を受け、日本の経済政策は非常に控えめであり、往々にして小規模な投入を講じるばかりだ。この探りを入れるような戦略は、日本経済に与える影響さえ限られているのだから、世界金融戦争を引き起こすはずもない。

 世界の紙幣印刷競争を引き起こしたのは米国とEUであり、日本はせいぜいその追随者でしかない。世界では一部の人間が責任を日本になすりつけようとしているが、これは世界金融市場の変動を引き起こした自らの責任逃れであり、本国もしくは本地域でより大規模な量的緩和策を実施するための口実である可能性もある。これこそが中国の警戒すべきことであり、日本にばかり注目してはならない。

 別の面から論じれば、量的緩和もそれほど恐ろしいものではない。量的緩和は、緊迫する金融、経済成長の原動力不足を受け講じられる、やむを得ない措置なのだ。これを実施しなければ、経済は引き締めの繰り返しに陥るだろう。企業は投資可能な資金を持たず、消費者も消費能力を失う。これでは消費を刺激し、経済と福利厚生の充実を促すことは不可能だ。他国が量的緩和策を講じたからといって、世界で「金融戦争」が生じると憶測してはならない。我々は大げさな言葉に耳を傾けるのではなく、事実そのものについて論じ、日本の金融措置から受ける影響について真剣に考慮するべきだ。

 円安進行は中国の対日輸出に影響を与え、対日輸出に支障が生じる可能性がある。特に低付加価値商品への影響が深刻だ。また円安により、日本の一部商品の中国市場におけるシェアが回復し、上昇する可能性がある。これらの商品は海外で競争力を高め、中国の海外市場シェアに食い込むだろう。中国製品の多くはこれまで、低価格により日本製品と競争してきた。この流れを今後10年内に変えることは難しい。日本は現在、金融の手段により中国製品の価格優位に打撃を与えており、新たな危機が生じる可能性が高い。金融戦争は現実的ではない。中国は海外市場において、いかに日本製品と競合すべきかを検討しなければならない。(編集YF)

 「人民網日本語版」2013年1月30日

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