「人生のブラックボックスに人生の記録を保管」する「ネット遺言状」が最近話題になっている。ある専門サイトは、ユーザーに「遺言状保管ボックス」を提供し、ユーザーに万一のことがあった場合、指定された連絡人から故人の死亡証明書類をサイト側が受け取った後、故人の生前の指示にのっとり、遺言状の内容を指定された人物に送るというシステムだ。新華日報が伝えた。
このウェブサイトは3年前から運営されており、現在のユーザ-数は約30万人、江蘇省のユーザーは1万人を上回っている。ネット遺言状保管ボックスの使用料は年59元(約1千円)、使用期限満了後3カ月以内に更新手続きを行わない場合、保管ボックスの内容は自動的に削除される。同サイトを運営する李佳さんは、「ユーザーは主に、大学生、30~40歳代のホワイトカラー、闘病中の人々で、この年齢層は、日常生活の圧力が非常に大きく、安心感が得られず、万一の場合に備えた遺言状もタブー視していない」と話した。
「相続法」では、公証遺言書、自筆遺言書、代筆遺言書、口頭による遺言、録音による遺言の5種類を有効な遺言として認めている。弁護士の嵇麗氏は、「法律では、新しく登場したネット遺言状は、禁止されてはいないものの、財産分与に関する内容については、実際の公証が必要であり、さもないと法的効力は発生し難い」と指摘した。今のところ、最も懸念されているのは、これらのネット遺言状から個人のプライバシーが漏えいする恐れがあることだ。専門家は、「ネット遺言状を利用する場合は、慎重に慎重を重ねるように」と注意を呼びかけている。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年12月23日