文化遺産の保護、日本の取り組みは?
中国メディアが見る日本 文化遺産は人類の貴重な精神的財産だ。文化遺産には国の歴史の移り変わりが記録され、民族の文化的遺伝子が継承されるため、その国と民族が他者から区別される文化的シンボルになりやすい。世界の各国・各民族の文化遺産はまた、現在の豊富で多彩な、燦然たる人類文明を共同構築している。光明日報が伝えた。
人類社会の発展法則を見ると、衣食住などの最も基本的な物質的需要が満たされると、人々は自国・自民族の歴史と文化の探求・模索を開始する。文化遺産の重要性はこれによって際立ち、文化遺産の発掘・保護もその国と民族の最も重要な文化事業の一つになる。世界屈指の経済発展国である日本の政府と全社会は近年、本国の文化遺産の保護に意欲的で、大規模な人力・物資・財力を注ぎ、大きな成果を得ている。文化遺産の独特な価値を認識・重視し始めた中国にとって、隣国の日本の文化遺産保護に関する取り組みは参考の価値がある。
日本の富士山
◆富士山の世界遺産登録への道
カンボジアの首都プノンペンで開かれた、ユネスコ第37回世界遺産委員会は、日本政府から推薦があった富士山を世界文化遺産登録することを決定した。古来より日本の象徴とされてきた富士山は、日本の17カ所目の世界遺産となった。
しかし実際には、富士山の世界遺産登録の道は、順風満帆ではなかった。富士山のある静岡県都山梨県は2003年に、富士山を世界自然遺産として登録申請していた。しかし専門家による審査の過程において、富士山は日本の最高峰ではあるが、火山としては世界的に自然遺産に登録されるための地質的な独自性を持たないという意見があがった。また当時深刻だったゴミ問題も、富士山の弱点となっていた。最終的に、富士山の初めての申請は、遺憾ながら失敗に終わった。