中国20都市の睡眠指数発表 大都市の睡眠状況に問題
国際精神衛生・神経科学基金会(IFMHN)が設定する21日の「世界睡眠デー」を前に、中国の「睡眠指数報告」が19日、北京で発表された。中国を代表する北京、上海、広州市(広東省)の3都市は例外なく「睡眠指数」が低い都市であることが明らかになった。新華網が報じた。
中国で初めての発表となった同報告は中国医師協会と中国の家具大手「喜臨門」が主催。中国のリサーチ会社・零点研究咨訊集団が2012年11-12月の2カ月間、家庭訪問方式で、中国の20都市のほか、20の小城鎮(人口10万人以下の街)、20の農村で実施した。
同報告は、寝に帰るだけの場所「ベッドタウン」の分布図を示し、「睡眠の現状」や「睡眠の管理」、「睡眠環境」などの指数を算出。20都市を「不眠都市」、「睡眠が浅い都市」、「安眠都市」、「快適な睡眠都市」に分けている。
住民の上記3指数が最も低いことを示す「不眠都市」だったのは、北京や広州、青海省西寧市、雲南省昆明市、広東省東莞市だった。また「睡眠が浅い都市」は、上海、江西省南昌市、天津、安徽省淮南市、四川省成都市。一方、「安眠都市」は、南京、湖北省武漢市、湖南省長沙市、遼寧省瀋陽市、浙江省杭州市。「快適な睡眠都市」は、厦門(アモイ)、河南省鄭州市、黒竜江省斉斉哈爾(チチハル)市、重慶、陝西省西安市だった。
「零点研究咨訊」の張軍・総裁は、「同調査によると、東莞市は正真正銘の『ベッドタウン』。調査対象となった都市のうち起床時間が平均午前8時9分と最もおそいだけでなく、平均睡眠時間が8.8時間であるにもかかわらず、『不眠城市』となっている」と指摘。睡眠時間が長いことが良い睡眠状態を保っていることにはならないことを浮き彫りにしている。
寝る前に「お休み」というものだが、生活上のプレッシャーが大きい都市で生活していると、安心して「休む」というのも難しくなるようだ。同調査では、北京の住民82.8%、広州の住民82.4%が「家庭内のストレス」が睡眠に影響していると回答した。
一方、「最も寝起きが悪い都市」は南昌市。目覚ましが鳴っても平均13.8分ベッドでゴロゴロしてから起床する。同時間が最も短いのは広州の住民で平均7.9分だった。そのほか、昼寝の時間が最も長いのは天津の住民で1日平均53.9分だった。
中国医師協会睡眠医学専門委員会の葉京英・副主任は、「中国の都市部では近年、睡眠時呼吸障害を患う患者が急増している。睡眠に問題を抱えていると、心臓病や高血圧などを誘発する可能性があるため、もっと関心を持ってもらいたい」と呼びかけている。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年3月20日