シンガポール紙「中国人観光客は日本に戻って来るか?」
春節(中国の旧正月、今年は2月10日)が迫り、海外に出る中国人観光客がピークに達している。日本の元首相が相次ぎ中国を訪問している今、両国の民間交流が回復しているのかどうかは、多くの人にとっての関心事だ。中国人の人気旅行先として、日本の観光地に春は再び訪れるのだろうか?シンガポール紙「聨合早報」の記事を引用して中新網が伝えた。
聯合早報に掲載された記事全文の概要は次の通り。
2010年に中国漁船と日本海上保安庁巡視船との衝突事故が発生して以来、翌2011年の東日本大震災支援活動と辛亥革命百周年記念活動は行われたものの、領土問題と歴史問題が原因で、国交正常化40周年祝賀ムードはどこかに吹き飛んでしまった。中国の伝統的祝日である春節を目前に控え、中国人の海外旅行はピークを迎えている。日本の元首相が続々と中国を訪問している今、両国の民間交流が実際に回復しているのかどうかは、多くの人が知りたいところだ。中国人の人気旅行先として、日本の観光地に春は再び訪れるのだろうか?
2009年正月に公開された中国映画「非誠勿擾」をきっかけに、日本最北の北海道が中国人に広く知られるようになった。この映画は驚異的な興行収入を記録、映画の大ヒットで引き起こされた北海道観光ブームは1年以上も続いた。「非誠勿擾」が公開される少し前に開催された第21回東京国際映画祭で、スペイン人監督作品「シルビアのいる街で」が上映された。ドイツ国境に近いフランスの古都ストラスブールを舞台にしたこの作品によって、「非誠勿擾」と同様、映画の舞台となったこの都市に大きな観光ブームが湧き起こった。観光業に対する映画の効用は、意外にも極めて大きく、映画のヒットが旅行業界にこの上ない喜びをもたらした。なるほど、娯楽と観光は、誰に取っても悪い作用は及ぼすことはなく、敵対関係も生じ得ない。
しかし、日本政府が発表した統計データによると、昨年11月に観光あるいは仕事で日本を訪れた中国人は約5万2千人にとどまった。東日本大震災によって旅行者数が激減した後、やや持ち直した2011年11月に比べ、43.6%も減少した。特に団体旅行の落ち込みが激しかった。このような状況に対し、朝日新聞のコラム「私の視点」欄に、ある日本人学者による「日本の観光情報を発信するのに留学生に活躍してもらい、中国人観光客を誘致しよう」という投稿が掲載された。