中国・毒ギョーザ事件、被告が罪を認めるも工場は倒産 (3)
取り返しのつかない損失 工場は倒産
呂被告は法廷で罪を認めたものの、事件では取り返しのつかない巨大な損失が発生した。中日の消費者14人が被害者となったほか、食品経営輸出権を持ち、年間6000トンの生産力を誇る国営企業だった「天洋食品」は既に倒産、従業員1千人以上が職を失った。また、事件発生後、天洋食品は商品の回収や商品の密封保存のために、500万元(約8千万円)以上を費やした。そして、中国製の食品に対する信頼も大きく損なわれてしまった。
検察官は法庭で、「従業員は会社で不公平な待遇を受けたと感じた場合、正当な合法的手段を使って訴えるべきで、うっぷんを晴らすために他の人を傷つけてはならない。同事件はこのことについて深く学ぶ機会になった」と指摘した。
また、呂被告は犯行に至った過程で、料理人という立場を利用して商品を保存している冷蔵庫に何度も入っており、監視するスタッフは誰もいなかった。呂被告はそのすきを狙い、ギョーザに農薬を注射したのだ。そのため、呂被告側の弁護士は、「同食品工場の冷蔵庫は出入りの管理があまく、工場の監督・管理業務にも落ち度がある」と指摘している。
一方、石家庄市人民検察院は、「呂被告が農薬を混入させたことで、1人が重症になるなど、多くの人が被害を受けた。また、重大な財産的損失が発生しており、事件は悪質で、重大な結果を招いた。その行為は、『中華人民共和国刑法』の関連の規定に反し、犯罪の事実ははっきりしていて、証拠も十分であるため、危険物投入の罪で刑事責任を追究すべき」と指摘した。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年7月31日