中国社会科学院日本研究所の楊伯江副所長 |
全国政協委員を務める程永華駐日大使、同じく全国政協委員を務める中国外文出版発行事業局の周明偉局長、中国社会科学院日本研究所の楊伯江副所長は10日午後7時、人民網強国論壇に招かれ、「中日関係と北東アジア情勢」をテーマにネットユーザーと交流した。
ある調査によると、中日両国の市民は両国関係の重要性を一貫して高い水準で認めているが、両国関係悪化の影響を受けて、相手国に対する好感度は多少下がっている。この調査結果について、楊氏は「相手国との関係の重要性に対する双方の認識は一貫して高い水準にある。つまり、両国関係は問題が生じても、なおかつ重要だと思うということだ。中日両国は共に東アジア地政プレートに属するアジア太平洋の大国であり、両国関係が安定した、健全なものであることが、どちらにとっても不可欠だ」と指摘。
「中日間に問題が生じるのには、歴史的、戦略的必然性がある。1894年の甲午戦争(日清戦争)後、東アジアの構造には重大な変化が生じた。1840年の第1次アヘン戦争から1894年の甲午戦争までは、基本的に3方面の変化を意味している。第1に、中国の国際的地位の変化。われわれは半封建・半植民地の状態に完全に入った。第2に、中日関係が過去の『中強日弱』から『日強中弱』構造へと変化した。第3に、地域秩序に関して、いわゆる『華夷秩序』中心国としての中国の地位が過去のものとなった。こうした状態は2010年になって『休止符』が徹底的に打たれたと言える。その象徴的な出来事が、中国がGDPで初めて日本を抜いたことだ。これは日本の戦略面の心理に大きな変化を引き起こした。一般の日本人は、比較的単純に、直感的に感じたのだろう。『今後われわれは中国に抑えつけられる。中国との関係はまだメリットがあるのか、それともデメリットがあるのか、中国はわれわれをどう扱うのか?』。こうした心配を持ったことだろう。ひるがえって日本は過去20年来のいわゆる2つの『失われた10年』で、経済は低迷し、社会の雰囲気は比較的重苦しい。こうした状況の中、右翼が出てきていわゆる『中国の脅威』を故意に誇張し、庶民に心理的圧力を加え、中国への反発や対抗の社会的雰囲気を形成している。そして、こうした雰囲気は政府の強硬な外交政策を引き立たせる役割も果たした」と分析した。