中国南方の漢族の身長、日韓より低い 最新研究
日本人は背が低いという印象を持っている中国人は多いが、どうやらそうとも限らないようだ。中国で初めて本格的に実施された漢族の体質・体格調査によると、中国の南方地域に居住する漢族の平均身長は日本人より低いことが明らかになった。「中青報」が伝えた。
過去4年間にわたり、天津師範大学生命科学学院の鄭連斌教授が主宰してきた国家自然科学基金重要プロジェクト「漢族体質人類学研究」は、中国大陸部の漢族計4万2971人を対象に研究を実施。うち2万5000人に対し86項目・指標にわたる人体測量を、1万7000人に対し25項目・指標の遺伝学体質調査を行った。111項目の指標をもとに有効データ約263万件を含むデータベースを作成した。
鄭教授によると、これは約2000年にわたる中国の歴史で初の漢族体質・体格データベースという。漢族は世界で最も人口が多い民族で、世界人口の18.2%を占める。中国55の少数民族にもそれぞれ作成された体質・体格データベースがあるが、これ以前には、漢族の体質・体格データベースは本格的には調査・作成されていなかった。「このデータベースの作成は中華民族体質データベースの基本的な雛形となる」と鄭教授。
中国の体質人類学研究の3大拠点、天津師範大学、蒙古師範大学、遼寧医学院の人材が集まったこの研究プロジェクトチームは、漢族の主要居住地域である四川、内蒙古(内モンゴル)、広東、雲南などの20の省・自治区を研究対象地区としている。
研究チームはすでに計1万5154人分(男性7340人、女性7814人)の体格データの分析を終了。20-30代(20-39歳)、40-50代(40-59歳)、60代以上(60歳以上)の3グループに分け、海外の学者が発表している同年齢グループの日本人・韓国人データと比較した。
意外だったのは、どの年齢層においても、中国南方の漢族の平均身長が日本人や韓国人よりも低かった点だ。中国南方の漢族の平均身長は、20-30代で168.2センチ。それに対し、同年齢層の韓国人男性は172センチ、日本人男性は171.7センチだった。女性の場合も、中国南方は20-30代グループの平均身長が156.5センチと、韓国(159センチ)と日本(159.1センチ)を下回った。
鄭教授によると、研究チームは現在、中国北方の漢族の体格データを分析しているところだが、北方の漢族も、身長面においては、恐らく韓国や日本より低くなる可能性が高いという。
また、鄭教授は「人類の体格は遺伝要因と環境要因の2つの影響を受け、環境要因には気候や地形、飲食、経済発展レベルなどが含まれる」とし、「この30年間で、中国は急速な変化を遂げ、それに伴い人の体格にも大きな変化が生じた」と説明した。
また、「現在の漢族の体格データを得ることは、国防科学技術や交通運輸、建築設計、刑事捜査、医療、教育、体育、徴兵、学生募集、ファッション、家具の制作などすべての分野で役立つ」とその意義を語った。(編集MZ)
「人民網日本語版」2013年3月22日