2023年世界経済フォーラムのニュー・チャンピオン年次総会(夏季ダボス会議)が27日、天津市で開幕した。
会場となった天津梅江会展センターの2階の一角にある天津港「スマートゼロカーボン」埠頭の模型展示エリアでは、海外からの数人の参加者が操作台の側で操作の様子を見守り、スマート化されたコンテナ埠頭の高効率の運営状態を感じ取っていた。
天津港「スマートゼロカーボン」埠頭の模型展示エリア
別の一角にある天開高教科創園の陳列エリアでは、うつ病のスマート診断ロボット、金属製毛細血管、スマートカー信号受信装置の部品といったハイテク製品がずらりと並び、大きな注目を集めていた。
天開高教科創園の陳列エリア
今回の夏季ダボス会議では、デジタル経済、グリーン発展、ヘルスケアなどが、中国経済の質の高い発展を示している。
世界では今、新たな科学技術革命と産業変革が深いレベルで発展し、デジタル技術や人工知能(AI)を代表とする新技術が経済グローバル化に向けたより有利な条件を作り出している。
フランスのベンチャー企業のプロフェシーの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のルカ・ヴェール氏は、「私たちは中国経済のモデル転換に信頼感を抱いており、デジタル経済が新たな成長のエンジンになる見込みだ。その中には多くの協力のチャンスと方向性が含まれている」と述べた。ニューロモルフィックビジョンシステムの研究開発に特化した同社は現在、スマートフォンやドローンなどを通じて広大な中国市場へ進出しつつある。
少し前、天津電力取引センターの主催により、今回の会場となる梅江会展センターと新エネルギー発電企業との間でグリーン電力取引が行われた。取引の規模は100万キロワット時に達した。これは標準石炭320トンの節約、二酸化炭素(CO2)排出量800トンの削減に相当する。
グリーンが中国の質の高い発展のベースカラーになりつつある。
国家電網公司の辛保安会長は、「中国ではすでに世界最大のクリーン発電システムが完成しており、各国に新エネルギーの開発、系統接続、利用が一体化した大規模なソリューションを提供することができる。私たちはクリーン・低炭素の方向性を守ると同時に、エネルギー供給保障を重要な前提とし、エネルギーの確実な供給を保証する」と述べた。
中国は2030年までにCO2排出量ピークアウト、2060年までにカーボンニュートラルの実現を目指すと宣言した。そのためには厳しい努力を重ねる必要があり、また広大な市場を動かすことにもなる。米コンサルティング会社のボストン・コンサルティング・グループ中華圏の執行パートナーの呉淳氏は、「これは百兆元(1元は約19.9円)規模の投資市場になり、より多くの新業態と新技術を生み出し、より多くのビジネスチャンスを作り出すことになるだろう」と述べた。
今から一ヶ月ほど前、これまで夏季ダボス会議に何度も参加してきた冷凍冷蔵用コンプレッサー世界トップのデンマークのダンフォスが、中国への投資に対する信頼感を改めて示した。同社の総額1億4千万元を投入したグローバル冷凍冷蔵用コンプレッサー研究開発テストセンターが、天津市武清区で稼働を開始した。
ダンフォスの中国法人のダンフォス(天津)有限公司の戴鍵社長は、「中国のグリーン発展というビジネスチャンスは長期的なものであり、明確なものだ。企業にとって重要なことは自分自身をしっかり鍛え、市場に適応し、チャンスをつかむ能力を高めることだ」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年6月28日