山東省臨沂市でこのほど、事故で両足を失った陳州さんが学校での講演に臨んだ。身なりをきちんと整えて壇上に上がった陳さんは顔を上げ、堂々と胸を張り、講演を行った。
1983年に生まれた陳さんは、13歳の時、列車から転落した事故で両足を失った。18歳になると木箱を足代わりに、歌手として中国各地の都市を巡った。
そうして都市を巡る中で、陳さんは家庭を持つようになり、次第に自信を強めていった。そして2007年、陳さんは友人から、人々を励ますようなスピーチをして欲しいと依頼された。そこで彼は自身の経験を話すことで、より多くの人々を励ましたいと考えるようになったという。
講演以外にも、陳さんがこだわり続けて取り組んでいることがある。それは「山登り」だ。16歳の時に泰山に登るまでは、「高い山の頂上から周囲を見下ろす」という感覚が全く分からなかったという陳さんだが、12時間かけて頂上にたどり着いたとき、彼は初めて自分が健常者と変わらぬ存在だと感じることができたという。そして努力して何かを成し遂げることは、とても価値のあることだと悟ったという。
それ以来、中国の五大名山である「五岳」登頂を成し遂げることが、陳さんにとって新たな人生の目標であり夢となった。そして2012年、彼はついに「両手で五岳に上った最初の人」となった。
陳さんはこれまでに、中国国内の100以上の山に登ってきた。
2023年4月25日、陳さんは西蔵(チベット)自治区拉薩(ラサ)市にある拉薩中学・高校の教員・学生を前に、彼が無名の足のない放浪の歌手から「人々を励ます講演者」へと変貌を遂げた経験や、他人に助けられる立場から他人を助けることができるようになった感動的なストーリーを披露した。彼は、子供たちに、誰もが夢に向かって諦めずに進み続けることの大切さを訴え、継続しさえすればどんな事も変えられると力強く語った。(編集KM)
「人民網日本語版」2023年5月29日