消費者が食べたければ、いかなる味のトマトでも、栽培者がそれを作れてしまう。これは山東省徳州市天衢新区のスマート農業産業パークでのことだ。同パークの「トマトの新しい味をカスタマイズ」というニュースが、春節期間の検索ランキングに上がった。科技日報が伝えた。
敷地面積33.6ヘクタール、サッカーコート約47面分の植物工場内で、徳州財金スマート農業科技有限公司の生産技術エンジニアである付文琦氏は取材に対し、「味をカスタマイズできる」トマトの成長の旅について説明した。
「甘み5分、酸味1分がトマトの最良の糖酸比だ」。付氏は、「この味を実現するためには、種と日照・雨の『連携』が必要だ。毎朝太陽が昇ると日照センサーが追跡を開始し、日照が1平方センチメートル当たり100ジュールに達すると灌漑システムが作動し、約3分内にすべての株に100ミリリットルの栄養液を与えるという目標を達成する」と述べた。
二酸化炭素(CO2)の濃度は植物の生産量に関わる。そよ風が吹くとセンサーはその風の強さと方向を検出し、ハウスの天窓の角度を変え、内外の空気が定時・定量的に融合する。
温度は実の成長具合を左右する。温度が上がり湿度が低下すると、箱型の気象センサーが信号を受信し、制御装置が指令を出す。サンシェードがつながり、高圧スプレーで霧を出し湿度を高める。
夜になると、水・肥料装置が定時・定量の灌漑を行い、地熱ダクトが動き、温風で寒さから守る。
この植物工場内では、700個近くの各種センサーと1700台余りの制御装置が毎日2000万件以上のデータを生成し、グリーンな工場を自動で管理する。また無土壌栽培技術、クマバチ受粉技術、グリーン防護・制御技術の運用により、トマトがより安全で新鮮になっている。そしてこのスマート化・デジタル化栽培モデルにより、トマトの実が20以上の果房をつけ、生産量も一般的なハウスの3−4倍になる。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年2月1日