国際原子力機構(IAEA)予算問題特別会議が27日、オーストリアの首都・ウィーンで開催され、会議は理事会が提出した2023年予算改正案とそれに関する決議を協議による合意のうえ承認した。新華社が伝えた。
中国代表団の王昶団長は、「今回の予算調整は、各方面の参加による十分な協議を経て、各方面が広く受け入れられる3点の重要な共通認識に至った。これらの重要な共通認識はIAEAの予算に対してだけでなく、IAEAが長きにわたって引き続き健全に発展するうえでも極めて重要なものだ。まず、ルールを尊重し、ルールを遵守し、ルールを維持する必要がある。予算問題であれ、イラン核問題や日本の福島原発汚染水処理、米英豪3ヶ国間の原子力潜水艦協力といったその他の問題であれ、いずれもルールを重視するべきだ。IAEA予算は米英豪原潜協力のような核拡散活動に用いられるべきではない。ルール違反による予算不足の問題に関して、修正後にまた元の状態に戻ってしまうようなことがあってはならない。IAEAの規約によれば、意思決定者は加盟国で、事務局はその執行者であり、IAEAの重大で敏感な問題については加盟国が共同で意思決定を行うべきであり、事務局が勝手に決定してはならない。次に、IAEA予算構造を引き続き最適化する必要がある。事務局は今回の人件費比率引き下げをベースにして、ルールを定め、長く継続し、人員経費比率を次第により合理的なレベルまで引き下げ、IAEAの貴重な資金をIAEAの主流業務活動により多く用いるようにするべきだ。最後に、発展途上国にとって極めて重要な技術協力資金を引き続き増やす必要がある。中国は、事務局が人員経費比率の引き下げにより節約された資金を技術協力活動に使用するべきとの要求を厳格に実行し、適切に技術協力資金を充実させることを望んでいる」とした。
また王団長は、「中国は、核分野において最も重要な政府間国際機関であるIAEAが常に厳格にルールに基づいて活動し、今回の予算調整に関する議論で達した重要な共通認識を全面的に実行しさえすれば、IAEA自体が絶えず改善と進歩を遂げ、他では取って変わることのできないIAEAの重要な役割をより十分に発揮できるものと信じている。中国は今まで通りIAEAの活動を支持し、人類運命共同体理念を堅持し、各加盟国や事務局と共に努力し、原子力事業が長期安定的に発展し、世界の平和・繁栄に新たな貢献を果たすよう後押しすることを望んでいる」と強調した。(編集AK)
「人民網日本語版」2023年1月28日