中国の伝統文化において、トラは「百獣の王」と見なされている。独特の王者の風格や迫力ある威厳を放っているため、昔からトラは勇気や力、財産を象徴する瑞獣や、正義を守り、悪を排除する守り神と見なされてきた。
宋・金の時代、トラを模した陶器製の枕が流行していた。この金の時代の作品「三彩虎形枕」は、不規則な弧を描いた形の台座の上でトラが伏せており、背中には緑の楕円形の蓮の葉があしらわれ、そこに頭を乗せるようになっている。「三彩虎形枕」はその形、装飾、上絵付けのどれをとっても、同様の形状の文化財の中で「傑作」と称されている。よくあるトラを模した枕は、目が吊り上がっていて威圧感を放っているのに対して、このトラは伏せており、しっぽも下に下ろしている。そして、目を閉じて、完全に力を抜いて休んでいる。背中の楕円形の蓮の葉は、平たくなめらかで、葉脈もはっきりと描かれている。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年9月29日