今年初の「委員通路」、中国の科学技術力を示す

人民網日本語版 2021年03月05日14:37

4日、中国人民政治協商会議第13期全国委員会(全国政協)第4回会議初の「委員通路」で、報道陣の質問に答えた委員らはいずれも各分野の専門家だった。彼らは多くの「金言」を口にし、報告した内容は全国民を元気づけるだけでなく、科学技術がけん引する中国の力も示した。科技日報が伝えた。

今年の中央1号文書は「種苗業を立て直す」ことを明確にした。

そのためにはどうするべきだろうか。全国政協常務委員で、中国農業科学院副院長の万建民氏は真っ先に人々の関心事について答えた。

人々の日増しに拡大する美しい生活の需要を満たすことを根本的な目的とし、遺伝資源の面で科学技術の力を余すところなく示す。万氏は「我々はさらに腎臓病の人に適した低グルテン米、糖尿病の人に適した糖分が少なめの米を育成した。これらはいずれも遺伝資源テクノロジーの力だ」と述べた。

万氏は「依然として一部の種苗は輸入に依存している。党中央は種苗業を立て直すと打ち出した。遺伝資源の収集・保存、遺伝資源の科学技術イノベーション、優位企業の育成などに取り組む必要がある。同時に遺伝子発掘、農産物育成のテクノロジーイノベーションの強化が必要だ。中国農業科学院が建設する遺伝資源バンクが年内に稼働開始する見通しで、完成後の容量は世界一の150万点にのぼる」と述べた。

全国政協委員で、中国科学院院士を務める中国航天科技集団科技委員会主任の包為民氏は初の「委員通路」で、火星探査機「天問1号」のリアルタイム情報を共有した。「天問1号は現在、毎秒4.8キロメートルの速度で火星軌道上を周回し、観測を行っている。各種指標が正常で、計器・設備が正常に作動している」。

中国が初めて近接撮影した火星地表の画像が同日に発表された。これには多くの科学的情報が含まれており、科学者による研究と発掘が待たれる。

世界では現在まで火星探査が47回行われているが、うち3分の2のミッションが失敗に終わっている。これは火星探査の道の険しさを十分に物語っている。

包氏は「中国の天問1号はスタート地点と効率が高く、チャレンジが大きく、イノベーションの度合いが高いという特徴があり、一挙に火星の周回、着陸、巡回・探査を実現し、この3段階を1回で完成することになる。これは人類の深宇宙探査の新たな先例を築く」と述べた。

宇宙を見上げ、中国の航空宇宙関係者は独自色を持つ宇宙の精神により困難を克服しながら前進している。包氏は今年の活動を展望し、「総合的なリスク分析を踏まえた上で、天問1号は今年5月から6月にタイミングを見計らい火星に着陸し、その後の巡回・探査を展開する。中国の宇宙船打ち上げは今年初めて40回を突破する見通しで、宇宙ステーションが建設段階に入る」と紹介した。

全国政協委員で、インターネットセキュリティ会社「360」の創業者の周鴻禕氏は初めて「委員通路」に姿を現し、人々を深宇宙の世界からデジタルの世界に誘った。すべてがプログラミング可能になり、万物がインターネットと接続する。全世界の枠組みがインターネットとソフトウェアの上に成り立つ。

周氏は「ソフトウェアであればセキュリティホールは不可避であり、セキュリティホールがあれば他者に利用される可能性がある。当社は昨年、世界的に有名なトップクラスの自動車メーカーの17のセキュリティホールを発見した。これらのセキュリティホールを通して、自動車は遠隔操作でドアを開け締めされ、エンジンを始動または停止される」と述べた。

周氏は「第14次五カ年計画と2035年までの長期目標で、発展と安全が最も重要なキーワードとなっている。サイバーセキュリティはデジタル化戦略の基礎であり、サイバーセキュリティが守られることで中国のデジタル化戦略がより良く発展する。国の力強いサポートを受け、当社は累計で44の海外ハイレベルハッカー組織を発見・特定し、2700回以上のサイバー攻撃を検知した。ハイレベルサイバー攻撃の検知が困難という過去の難題を解消した」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2021年3月5日

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