「春野菜を食べること」は、民間に伝わる春を迎える風習の一つで、「咬春」や「嚼春」と呼ばれている。早春の訪れとともに、さまざまな春の野菜が各地の市場に並ぶ。上海の野菜市場の各店では、ナズナや馬蘭頭(コヨメナ)など南方で採れる春野菜が販売されていた。なかでも最も値段が目を引いたのが、「香椿(チャンチン)」だ。上海のある野菜市場では、多くの店で、一束にくくられた香椿が最も目立つ場所に並べられ、500グラム60元から90元(約千円から1500円)で売られていた。
「木の上に育つ野菜」と言われる香椿は、チャンチンという落葉広葉樹の若い芽のこと。毎年、春の節気のひとつ「穀雨」の頃になると、このチャンチンを使い、さまざまな料理を作ることができる。
中国人がチャンチンを食べる習慣は古くからあり、漢の時代には、全国にあまねく普及していた。チャンチンは、栄養価が高く、食養生の効果があり、風邪やリウマチによる痛みや胃痛、急性の下痢などに効く。(編集KM)
「人民網日本語版」2021年3月2日