2月10日から再稼働した北京にあるキヤノンクイック修理センター(写真提供・キヤノン中国)
中国では新型コロナウイルス肺炎の感染状況の影響を受けつつも、現在企業や工場の営業や操業再開が段階的に進んでいる。人民網ではこのほど、キヤノン(中国)有限公司の小澤秀樹社長兼CEOに再稼働の現状や中国の予防・抑制措置に対する評価、企業への影響などに関してインタビューを行った。
一部の拠点で出社開始、生産準備もスタート
キヤノン中国は各地域の状況や政策に基づいて必要な防疫の対策をした上で、2月10日から北京など一部の拠点で出社を開始。また出社を開始した拠点でも、在宅勤務や出退勤時間をずらすなどの対応も実施し、社員が安心して業務ができる環境を整えている。再稼動ができていない拠点については基本的に在宅勤務を実施し、中国にある各生産拠点は、地域によって状況が異なるものの、生産に向けて準備を進め、省や市政府の方針に従って対応。その再稼働基準についても各地域の感染状況や政府政策、社員の個人的な状況によって作成し、地域政策で再稼働を認めるかどうかで、現場の再稼働を判断している。
社員の健康保障を大前提に
感染拡大を受け、キヤノンではただちに社内の危機管理委員会を開き、一連の防止と対策を行い、社員の健康を保障することを大前提として、業務を再開。また不要不急の出張と外出は、中国国内・国外含めて全て禁止している。
防護用品については、今回に限らず平常時も社員にマスクを無償で配布しており、全拠点に消毒液を設置し、社員が必要なときに利用できるようにしているほか、武漢支店の社員向けには、他拠点よりも多めにマスクを購入し、各自の自宅に配送した。また工場についても、キヤノン中国同様、マスクの無償配布や消毒液の設置を実施している。これら配布されたマスクにはキヤノンの日本本社、欧米拠点からの支援が多く含まれており、キヤノングループ内で世界レベルの助け合いを実現している。