WHO、直近24時間における中国以外の新規感染は中国国内の約9倍

人民網日本語版 2020年03月03日15:00

世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は2日、中国における新型コロナウイルス感染患者数は減少し続けており、直近24時間において、中国以外で報告された新たに感染が確認された患者数は中国国内のほぼ9倍に上ることを明らかにした。WHO公式サイト上に掲載された情報を引用して中国新聞網が報じた。

WHOが毎日発表している新型コロナウイルス感染状況をめぐる最新報告によると、中央ヨーロッパ時間3月2日午前10時(北京時間同日午後5時)の時点で、中国国外で新たに新型コロナウイスるの感染が確認された患者数は8774人、死亡者数は128人。

テドロス事務局長は、「WHOは、韓国、イタリア、イラン、日本の情勢について最も懸念している。韓国から報告されている感染者数は中国以外の国から報告されている感染者数全体の半分以上を占めている。だが、韓国については、コミュニティ内での感染拡大ではなく、5つの『クラスター(小規模な感染者の集団)』から感染が拡大している。これは監視措置がまさに作用を発揮しつつあることを裏づけるもので、韓国の感染状況は依然として抑制可能な情況にある」とした。

またヨーロッパの情勢については、イタリア国家市民保護局(DPC)のアンジェロ・ボレッリ(Angelo Borrelli)局長が2日、「イタリア国内における新型コロナウイルスによる肺炎の感染が確認された患者数は、1694人から2036人に増加し、その死亡者数は52人に達している」とした。フランスでは、2日の時点で、感染が確認された患者数は累計191人で、死亡者数は3人となっている。

テドロス事務局長は、「WHOは世界の人々が現在、新型コロナウイルスはパンデミックとなるのではないかと心配していることをよく理解している。WHOは常に感染情況と統計データに対する監視抑制・分析を進めている。もし、パンデミックが発生したと見なすべき証拠が得られたとしたら、WHOは一刻の躊躇もなく、パンデミックであると認める。だが、現時点では、様々な角度から見て、パンデミックが発生したとは言えない」とした。

さらに、「新型コロナウイルスによる肺炎はインフルエンザではない。万一、新型コロナウイルスがインフルエンザだったら、今頃は、世界規模で地域社会に感染が蔓延しているはずで、ウイルス感染拡大を遅らせたり、抑制しようとする努力も全く無意味となっていただろう。だが、実践から、新型コロナウイルス感染症を抑えることは確かに可能なことであり、かつ、世界中の全ての国々にとって依然として現在最優先とすべき重要課題であることが見て取れる」とした。

また、「国家によって情況は異なり、ウイルス対策にとって唯一の道あるいは統一的な方法は存在しない。それぞれの国が現在講じる対策は、各国の感染拡大の行方を作用する。今、行動に出る以外の選択肢などあり得ない」と強調した。(編集KM)

「人民網日本語版」2020年3月3日

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