3つのキーワードに取り組み、中国を世界の農業科学技術センターに

人民網日本語版 2019年10月11日13:32

中国工程院院士、中国農業科学院副院長の万建民氏は、先ごろ開催された科学普及サロン活動にて、「中国には約4億5千万ムー(1ムーは約666.7平方メートル)の水田があり、単位あたり生産量は約460キロと、世界平均水準の1.7倍にのぼる」と指摘した。同活動は、中国人の食糧事情を「満腹できる」から「美味しく食べられる」へと大きく変化させた科学技術の力を探求することを目的に開催された。科技日報が伝えた。

万氏によると、新中国成立から70年間、農業科学技術の中国食糧安全保障に対する寄与度は60%弱にのぼる。この素晴らしい成績は、中国の稲科学分野の2つの重大な進歩によるものだ。

万氏によると、1回目の進歩は1950年代に成し遂げられた。中国の科学者は茎が短くなる遺伝子を利用し、稲の高さを1.69メートル前後から80-100センチにした。これにより稲は倒れにくくなり、生産量が拡大した。次に、袁隆平院士を始めとする中国人科学者が稲のハイブリッド育種を行い、別の遺伝子を使って稲の生産量を飛躍的に拡大した。

中国の稲科学技術の今後の発展方向は、伝統的な育種技術と、ゲノミクスや遺伝子編集、合成生物学、遺伝子組み換えなどのバイオ科学技術との結合にある。万氏は「中国人科学者は今後、新たな稲遺伝子を発見し、生産量と品質の改善を続ける」と述べた。

育種技術の進歩には、育種資源による支えと、農業科学技術の「グローバル化」が不可欠だ。

中国農業科学院副院長の梅旭栄氏は、「新中国成立から70年間で、中国の農業科学技術の国際協力は無から有へ、有から成長・繁栄へと移る過程を経てきた」と話した。

梅氏によると、中国は現在、世界の140以上の国及び国際機関と、農業科学技術分野の協力関係を結んでいる。中国は海外から約2千項目の先進的な農業科学技術を導入している。中国の農業科学技術は近年、徐々に海外に進出し、多くの発展途上国で現地の生産発展に協力している。

また中国の農業科学技術界が国際科学技術ガバナンスに参加する能力及び水準も向上を続けている。世界で実施される重大農業科学技術計画は、いずれも中国人科学者の参加が不可欠だ。

梅氏によると、世界の科学技術革命及び産業変革を前にして、中国の農業科学技術は今後、非常に厳しい任務を迎える。国全体を見ると、中国の農業科学技術の発展には次の3つのキーワードがあるという。

まずは「一角」だ。中国は戦略的に必要な基礎科学及び先端技術分野で一角を占め、農業科学技術の競争において有利な立場を勝ち取る必要がある。2つ目は「自主制御」だ。中国の多くのコア技術は現在、依然として海外から制限を受けているが、農業分野にも同じ問題が存在する。そのためこの局面を変えるための取り組みが必要だ。3つ目は「サポート・けん引」、すなわち農業・農村発展のサポート・けん引だ。中国の農業応用科学分野は全面的な革新が必要で、革新により農業科学の進歩をけん引しなければならない。(編集YF)

「人民網日本語版」2019年10月11日

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