ボアオ・アジア・フォーラムが9月24日、北京で「アジア貧困削減報告」(以下、「報告」)を発表した。「報告」の専門家チームの責任者・中国農業大学の李小雲教授は、「所得という面から貧困状況を見てみると、アジアの貧困人口は1990年の15億2000万人から、2015年には2億6300万人まで減少した。中国はその半分以上の貧困削減に寄与した」と説明した。
李教授によると、アジアは、過去数十年において、経済発展、特に、経済成長と社会経済のモデル転換、貧困削減の3つの分野で最も良いパフォーマンスを見せた地域となっている。貧困ラインである1日1.9ドル(1ドルは約107.69円)という基準で見ると、アジア諸国における現時点での深刻な貧困の発生率は1.85%。2%以下ということから、世界の経済発展に大きく寄与していることが分かる。
「報告」は、中国の貧困削減は、世界的にも認められており、中国は世界で最も早く、国連のミレニアム開発目標を達成した発展途上国だ。また、2020年には、絶対貧困を撲滅したと宣言する初めての発展途上国になる。中国はターゲットをしぼった貧困支援を実施して以来、中国全土の農村の貧困人口は2010年の1億6567万人から、2018年には1660万人に減少し、貧困発生率は2010年の17.2%から1.7%に改善した。
発表会で、ボアオ・アジア・フォーラムの副理事長を務める中国人民銀行(中央銀行)の元総裁・周小川氏は、「中国、ひいてはアジアの貧困支援の経験を見ると、国がどんな経済制度と経済発展戦略を選ぶかは非常に重要だということがわかる。中国の改革開放(1978年)政策は、対外開放した国際貿易を強調しており、国際投資の発展の機会を十分に活用して貧困削減を行っている。『報告』によると、中国の1978年の貧困発生率は97.5%だったが、2000年には49.8%にまで改善し、47.7ポイントも下降した」と成果を強調した。
ボアオ・アジア・フォーラムで初めて発表された広義的な発展をテーマにしたこの研究報告は、アジアの全ての国の貧困削減の現状を系統的にまとめ、一部の地域に限定したこれまでの研究方法からさらにステップアップし、貧困の現状と課題、貧困削減の成果と経験など、さまざまな角度から網羅的な分析を行い、関連の分野の国際協力をめぐる提案も行っている。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年9月26日