日本は今年8月、輸出手続きを簡略化できる「ホワイト国」(グループA)のリストから韓国を除外した。これは日本の韓国に対する貿易制裁とみられている。韓国はこれに対抗して、今月18日に自国の「ホワイト国」リストから日本を除外し、両国の貿易紛争はエスカレートし続けている。新華社が伝えた。
韓国の半導体産業はフッ化水素などの原材料で日本への依存度が高く、世論では、「すでにある日本産フッ化水素の在庫が尽きた時は、韓国半導体企業が操業を停止する時だ」といった声も上がっている。また、「日本はこれまでずっと経済力と科学技術 イノベーションの力を『隠して』きたのであり、科学技術産業の産業チェーンでは優位に立っている」といった見方もある……その言わんとするところは、「日本が次の大きな手を打つだろう」ということだ。事実は果たしてそうなのだろうか。
実際には日本は科学技術産業の発展で先行し、たとえば半導体では、1990年代までは産業チェーンの川上を占拠しただけでなく、産業チェーン全体を牛耳っていた。90年には世界の半導体企業10社のうち、日本企業はNEC、東芝、日立、富士通、三菱、パナソニックと6社が並んだ。この頃は日本の半導体産業の最盛期だった。
21世紀になると、日本の半導体産業は米国の圧力と国際競争の中で衰退し、世界トップ10社にはもはや日本企業の姿はみられなくなった。
しかし日本企業が失ったのは産業チェーンの川中から川下であり、半導体産業から完全に撤退したわけではなく、産業の発展方向の調整をさせられただけだった。原材料、製造設備、機器計器など産業チェーンの川上と周辺で独自の優位性を発揮し、細分化された分野ではシェアが上昇したものさえあった。スポーツ選手にたとえれば、十種競技の選手が病気から復帰してトライアスロンの試合にも出場できるようなものだ。