顧客に代わってジムや車の点検 発展する「代行経済」

人民網日本語版 2019年08月09日09:50

8月1日、重慶市九竜坡区袁家崗街道に暮らす龔洪平さんのこの日最初の仕事は、顧客に代わって自動車の毎年の定期点検に行くことだった。午前8時に顧客から車を受け取ると、9時半頃に同市南岸区にある自動車検査ステーションに到着し、点検を終えて車を返却したのは大体11時だった。龔さんはこの仕事で300元(1元は約15.1円)を稼いだ。「工人日報」が伝えた。

同市には龔さんのような特殊な仕事をする人が一定数いる。特殊というのは、この人たちがプロ化した職業集団ではなく、その仕事に決まった名称がなく、仕事の内容が状況によっていろいろ変わるからだ。購入代行を手がけることもあれば、文書を代行で送付する、整理券を代行で取りに行ったり列に並んだりする、医療機関を探して薬を買うこともある。それだけではなく、代行でジムに行ったり、顧客と一緒に食事やウィンドウショッピングや買い物にも行き、自分の懐は痛まないばかりか、報酬をもらって稼ぐこともできる。

▽「代行経済」が生活に浸透

実際、誰かのために奔走して報酬を得るのは珍しいことではない。よく知られているのはスマートフォンのアプリケーションを利用した運転代行サービス「e代駕」だ。友人と集まって酒を飲んだ顧客が、アプリを通じて運転代行者を探し、自分と車を家まで安全に送り届けてもらうというものだ。10年近く前に登場したe代駕は、今では全国数百都市に数十万人のドライバーを擁し、ピーク時には受注件数が12万件を超えるという。

とりわけ最近は、便利で迅速なモバイルインターネット技術によって、「代行経済」がより専門的で現地化した姿で暮らしの中の細分化されたさまざまな場面に浸透している。

「代行経済」の起業プロジェクトに資本が集まっている。スーパーの購入代行プロジェクト「即買送」は業務を開始するとすぐにエンジェル投資家から1500万元の投資を集めた。病院受診に関連したサービスを提供する「e陪診」の創始者・岳建雄さんは、「中国では毎年のべ33億人が病院を受診し、北京だけで年にのべ2億3万人が病院に行くほか、市外から来て医療機関にかかる患者も一日で70万人に上り、受診する人のうち67.5%は誰かがつきそっている。e陪診からみると、そのうち1%を獲得するだけで60億元の市場が生まれるので、つきそい代行サービスには計り知れないビジネスチャンスがあるといえる」と豪語する。

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