中国商務部(省)は5月31日、関連の法律法規に基づき、中国は「信頼できないエンティティ・リスト」制度を構築する方針であることを明らかにした。市場の規則を遵守せず、契約の精神に反し、ビジネス以外の目的で中国企業に対して封じ込みや供給停止を実施し、中国企業の正当な権益に深刻な損害を与える外国法人、組織、または個人をリストに盛り込む。商務部はまた、具体的な措置は近く発表するとした。「環球時報」が伝えた。
米国はこのほど華為技術(ファーウェイ)を「エンティティ・リスト」(輸出規制対象リスト)に加えるとともに、さらに多くの中国ハイテク企業もリストに加えると盛んに情報を流して脅しをかけ、米国企業の一部も中国企業に対する技術提供停止や封じ込みに加わった。中国の「信頼できないエンティティ・リスト」制度の構築は、こうした背景の下での決定だ。
我々からすれば、中国の行動は2つのシグナルを発している。1つは、中国は米国の圧力に決して屈することなく、米国のさまざまな圧力を消極的に受け入れることもせず、積極的な対抗措置をとるということだ。
「信頼できないエンティティ・リスト」制度を構築することからわかるのは、中国がこのたびの米国に対する駆け引きで法律法規システムの整備を急ピッチで進めているところであり、今後の競争ではより確かな法的根拠を有するようになるということ、また米国が中国企業に圧力をかけることで直面する可能性のある重大リスクに対して事前に警告を発していることだ。
そのため、今回の行動にははっきりとした現実的な意義があり、中国の長期的視野に立った建設の一貫であることもわかる。「信頼できないエンティティ・リスト」の威力は中国企業を保護するためのバリアを形成する。
中国は対外開放に向けたさまざまな約束を揺らぐことなく遵守し、外国法人の中国における事業展開に絶えず便宜を提供し、外国法人の利益保護に努力する。中国は外国法人を差別しないし、対外開放という大きな環境を弱体化させることもしない。「信頼できないエンティティ・リスト」制度の構築はルールをさらに明確にする上でプラスになり、外国法人と中国市場との関係をより確固としたものにする。これは中国が直近の行動で伝えたもう1つの重大なシグナルだ。
中国は米国の理不尽な要求に対して原則なき譲歩はしないし、反撃すべき時には必ず反撃する。しかし貿易戦争は外国法人を歓迎する中国の姿勢に影響を与えないだけでなく、中国は米国の法人に対しても同じく市場開放の態度をとり続ける。これは中国の現行の政策であり、中国社会全体の基本的な共通認識でもある。
平和と発展を愛する中国国民は中米関係の悪化を決して望まないし、米国とともに無駄に長期化する経済貿易戦争に突入することを望む人は誰もいない。しかし米国の傲岸不遜な振る舞いに対して、中国国民は断固として戦わなければ平等な交渉はできないということも十分に理解している。そこで、中国の発展の権利を保護するために、また中国の発展のため長期的で公平な国際的環境を勝ち取るために、中国社会が今、貿易戦争に対してとる態度は、事態がこのようになったからには腹を据えて、米国にどこまでも「つきあう」というものだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年6月3日