北京第二外国語学院で28日午後、「曙」をテーマにした第38回演劇大会が行われ、11クラスの中から予選を勝ち抜いた6クラスが日ごろの学習の成果を発揮し、若さと熱意溢れる演技を披露した。同演劇大会には首都対外文化伝播研究院の邱鳴院長や国際交流基金の高橋耕一郎主任、中日友好協会の程海波副秘書長のほか、協賛する北京イオンの椎名孝夫董事総経理ら多数のゲストが出席した。人民網が伝えた。
学生たちが演じたのは、中国でも人気の高いベストセラー「白夜行」から著名文学作品である「伊豆の踊子」といった日本の小説を題材にした作品のほか、シェイクスピアの「リア王」、オリジナル脚本の「桜吹雪の散るころに」、そして日本人なら誰もが知っている昔ばなしの「浦島太郎」と「桃太郎」と、今年もバラエティに富んだプログラムとなった。
なかでも「桃太郎」は通訳クラスということもあり、各人の日本語力の高さが光っていたほか、関西弁を取り入れたり、中国アニメの「葫芦娃(ひょうたん童子)」という中国要素を取り入れるなど、様々な工夫が凝らされていた。同じく昔ばなしをアレンジした「浦島太郎」も竜宮城での「タイやヒラメの舞い踊り」を少し前に中国国内で流行った「海草ダンス」にするなど、こちらも中国要素を取り入れることで、異国の昔ばなしを身近なものにしただけでなく、亀役のやや惚けた演技も会場の笑いを誘っていた。
一方、今回唯一のオリジナル脚本となった「桜吹雪の散るころに」は、日本のアニメやドラマ、小説などの影響がそこかしこに見られ、単なる日本語学習の域を越え、中日の文化交流が広く、深く浸透していることを感じさせる内容となっていた。
審査員も甲乙つけ難いとした熱演の結果、最優秀脚本賞と一等賞には豪華な衣装とレベルの高い日本語能力を披露した「リア王」が、二等賞にはオリジナリティが評価された「桃太郎」と「桜吹雪の散るころに」が選ばれた。そして最優秀男優賞には飄々とした演技が会場を沸かせた桃太郎役の周佳さん、最優秀女優賞とイオン特別賞には感情の発露と流ちょうな日本語で観客を魅了した「リア王」のコーデリア役を演じた唐晨さんが、出演者人気賞には「浦島太郎」で太郎とのユーモラスなやり取りを見せた亀役の衛守恒さんがそれぞれ選ばれた。(文・玄番登史江)
「人民網日本語版」2019年5月29日