ダンベルを持ち上げ筋トレに励んでいる人なら、「筋肉増強」を目指し、せっせとプロテインを摂取しているだろう。しかし、「プロテインの過剰摂取は、情緒の安定に悪影響をもたらすだけではなく、寿命を縮める恐れがある」という事実が、オーストラリアの研究から明らかになった。生命時報が伝えた。
豪シドニー大学の研究チームは、マウスを使った実験によって、プロテインの主要成分であるBCAA(分岐鎖アミノ酸:バリン・ロイシン・イソロイシン)が、代謝作用・生殖・食欲・老衰など各方面に及ぼす複雑な作用について分析を行った。その結果、血液中のBCAA濃度が高すぎると、BCAAと脳内のトリプトファンとの間に拮抗作用が生じた。トリプトファンは、セロトニンの唯一の前駆体となる物質で、このセロトニンは、別名「幸せホルモン」と呼ばれており、気分の安定や睡眠の促進に効果がある。マウスの脳内セロトニン量が減少すると、脳は食欲を増すよう指令を出すため、過食に陥り、肥満傾向が高まり、寿命を縮めてしまう。
この研究結果を踏まえ、研究チームは、筋トレやフィットネスに励む人々に対し、「タンパク質はできるだけ、赤身の肉・乳製品・鶏肉・魚肉・卵・豆類・ナッツなど食品そのものから摂取すること。そうすれば、各種必須アミノ酸を摂取することができる上、それらのバランスも保たれる」とアドバイスしている。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年5月27日