最近、中米経済貿易協議がいかなる合意にも達していない中で、米側は再三無闇に中国側にレッテルを貼り、「後退した」「破棄した」「すでに合意に達したいくつかの問題で立場が『後退した』」と中国側を非難している。米側はこのような手口で世論を惑わしながら、プレッシャーを振りかざしている。覇権主義のさらなる実演が、その本質だ。(人民日報「鐘声」国際論評)
周知のように、協議はそもそも意見を交換し、溝を埋め、共通認識を求め、問題を解決するプロセスだ。協議の過程において双方間の見解が異なるのは正常なことだし、正式な合意に達する前に双方に変化があるのも正常なことだ。現在はまだ協議が終わっておらず、まだ合意に署名していないのに、「後退」「破棄」などとどうして言えるのか。交渉相手を尊重するのは、国際交渉のルールだ。
言動を二転三転させているのが一体どちらなのかは、論じるまでもなく事実が明らかに示している。昨年12月1日、中米両国首脳はアルゼンチンで会談した際、新たな追加関税の停止で合意するとともに、両国の協議グループに対して、協議に拍車をかけ、全ての追加関税を撤廃する方向で、互恵・ウィンウィンの具体的合意を結ぶよう指示した。その後、双方の協議グループは太平洋の両岸を往き来し、世界は経済貿易問題の解決に向けた中国側の誠意を目にした。少し前の第10回協議でムニューシン米財務長官は「成果に富む」協議だったとも表明した。だが、その後すぐに、米側は中国側を「後退」「破棄」と非難し、一方的に追加関税を宣言した。これは両国のこれまでの合意に完全に背くものであり、中米経済貿易協議は深刻な頓挫を来した。誰が「後退」し「破棄」したのか、道理をわきまえた人には一目で明白だ。
中米経済貿易協議の過程を見ると、米側の二転三転はすでに常態となっている。米側は「中国側との協議は大変順調に進んでいる」と言ったかと思えば、経済貿易協議で「約束を反故にした」と中国側を非難する。中国側と「非常に包括的で重大な合意に達する」必要があると断言したかと思えば、「中国からの輸入品に対する関税率を是非引き上げたい」と宣言する。まさに米側の二転三転、朝三暮四のために、中米経済貿易協議は起伏が多く不安定なのだ。昨年5月19日、中米は重要な共通認識にいたり、共同声明を発表した。だが5月29日に米側は一方的に「後退」し「破棄」して、合意を破り、共通認識に背いた。昨年6月初めに双方はエネルギー・農業分野の具体的協力について合意したが、6月15日に米側は再び「後退」し「破棄」した。
中国側は一貫して最大限の誠意をもって経済貿易協議を推し進めており、平等性と相互尊重を基礎に互恵・ウィンウィンの合意に達することを望んでいる。追加関税という米側の行為によって第11回協議プロセスが深刻な頓挫を来してもなお、中国側の協議グループはワシントンへ向かった。協議推進への中国側の誠意は誰の目にも明らかだ。
中国はかねてより「言った事は必ず守り、着手した事は必ずやり遂げる」ことで、国際社会から幅広く認められてきた。昨年以降、中国は一連の開放拡大措置の実行を加速してきた。例えば、自動車や化粧品などの輸入関税を大幅に引き下げた。「外商投資法」を審議・制定し、市場参入条件を緩和し、一般製造業はすでに外資への全開放をほぼ実現した。また、第2回「一帯一路」国際協力サミットフォーラムで習近平国家主席の発表した一連の重大な改革開放措置は、世界中で熱烈な反響を呼んだ。
中国には原則があり、譲れぬ一線があるのだ。いかなる時、いかなる状況でも、中国は国家の核心的利益と国民の根本的利益を断固として守り、国家と民族の尊厳を断固として守る。中国側が原則を堅持し、損害を拒絶することを「後退」「破棄」と言いなすのなら、それは強盗の論法でしかない。中国人民が原則問題と核心的利益で取引をすることは過去にも、現在にも、ましてや将来にもあり得ない。中国が自らの核心的利益を害される苦々しい結果を受け入れることを期待し、重大な原則問題で譲歩することを期待しても、全て水泡に帰する運命にある。(編集NA)
「人民網日本語版」2019年5月22日