中国外交部(外務省)の副部長兼中国政府朝鮮半島事務特別代表だった孔鉉佑氏が中国の次期駐日大使に任命され、今月30日に着任する。
孔氏は28日に北京で記者団の取材に応じ、「中日両国は早くから、密接不可分で、高度に融合した利益関係を築いてきた。2018年、中日間の貿易規模は約3300億ドル(1ドルは約109.4円)で、人員の往来は延べ約1200万人に達した。つまり、1日当たり約3万人が中日間を行き来していることになる。そして、中日両国は世界第2位と第3位を占めるエコノミーであることは周知の事実であり、中日関係がもたらす影響はすでに両国の範疇にとどまらず、地域や世界の平和、安定、繁栄という面において、ますます重要な責任を担うようになっている」と述べた。
また、「今年は中華人民共和国成立70周年に当たる。一方の日本も『令和』の時代に入っている。新時代を前に、中日両国関係を安定して長期にわたり発展させるためには、平和、友好という方向性を堅持し、中日両国の政府が合意に達した中日間の4つの基本文書が確立している各原則を厳守し、両国の政治的相互信頼にプラスのエネルギーを注入し、両国間の政治的相互信頼を継続的に強化しなければならないと考えている。同時に、双方の経済分野におけるウィンウィンの協力を深化、開拓し続け、経済協力が両国関係の『バラスト』としての役割を一層効果的に果たすよう促進しなければならない」と指摘した。
さらに、「新時代の条件下で、中日両国の民間レベルの各種交流を着実に推進し続け、両国の国民感情を改善し、両国間に依然として存在する意見の不一致や隔たりを建設的に管理・コントロールしなければならない。総じて言うなら、双方が初心を忘れずに、両国が国交を正常化させた際に行ったそれぞれの政治的約束をしっかりと守り、向き合って進めば、両国は新時代にマッチした中日関係を必ず築くことができるに違いない」との見方を示した。
G20大阪サミットが6月に開催されることに関して、孔氏は、「一国主義、保護主義が台頭しているのを背景に、国際経済協力の主な話し合いの場であるG20は、グローバル・ガバナンスの面で、一層重要な牽引的役割を果たさなければならない。G20大阪サミットを支持し、それが成功することを期待している。そして、多国間主義、開放型経済を推進するというポジティブで、積極的なシグナルを、外に向けて発信してほしい。また、国際社会の自由経済体制を守るという決意を固くし、マクロ経済政策の分野の協力を強化し、手を取り合って供給側の構造性改革を推進し、イノベーション主導の成長を促進することを願っている」とした。
また、「国連の持続可能な開発のための2030アジェンダと気候変動への対応を実施する面においても、G20サミットがさらに積極的なシグナルを発することを願っている。話し合いにより、建設的な方法で、メンバー間の今ある問題をめぐる意見の相違や隔たりを適切に処理することを堅持し、特に、発展途上国に対して合理的な配慮が十分に示されなければならない」との見方を示した。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年5月29日