ソニーがスマホ事業を大幅縮小 大規模リストラも予定

人民網日本語版 2019年04月02日11:20

日本メディアの報道によると、ソニーは売り上げが減少を続けているため、スマートフォン事業の規模を大幅に縮小する計画だ。2019年度末(2020年3月31日)にはスマホ部門の約4千人の社員のうち最大で半分をリストラするという。「経済参考報」が伝えた。

「日本経済新聞」の報道によれば、ソニーは日本国内ではスマホ事業部門の社員の一部を他の事業部門に移し、欧州と中国の子会社のスマホ部門は自主退職方式でリストラを行う。今後、スマホの主要販売エリアを日本、欧州、東南アジアの各市場に絞り、東南アジアなどにある営業拠点を縮小する。ソニーはリストラと調達網の改革などの措置により固定費を半分にしたいとしている。

データによれば、過去1年間にソニーのスマホ事業による損失は9億ドルに迫った。ソニーのスマホが最も輝いていたのは07年で、世界市場シェアは9%に上り、世界4位のスマホメーカーだった。だが18年の出荷量は最大でも650万台で、世界のスマホ出荷量の1%にも満たず、前年度の約半分に減少し、5年前に比べると6分の1に減った。17年末時点で、ソニーは18年の出荷量を1千万台と見込み、その後、900万台に下方修正していた。ここ数年のソニーにとって、スマホ事業は3大事業分野のうち唯一損失を出していた分野だ。

ソニーは11年に低迷期に陥り、企業は巨額の損失を出し、株価が暴落し、不動産を切り売りして運転資金に回していたことさえある。12年には危機の中で平井一夫氏が最高経営責任者(CEO)に就任。平井新CEOは初めて「ワンソニー」というキャッチフレーズを掲げ、ハードウェアの中核分野としてデジタルイメージング、ゲーム、モバイルの3つの方向へ努力することを打ち出した。スマホ部門とテレビ部門への投資を削減し、財務状況は徐々に好転し、14年度は小幅に黒字転換し、純利益も緩やかに増加した。17年度には、好調なゲーム事業とネットワーク事業に支えられて、7349億円の営業利益を達成し、ソニーの歴史の中で最高の利益を記録した。

ゲームと映像の2大部門の業績は好調だったが、平井CEOは任期中にモバイル事業の劣勢を挽回することはできなかった。分析によると、ソニーには世界最高のカメラ技術がありながら、スマホには提供しなかった。ソニーの価格設定戦略は旧態依然としており、小売価格は高級機の位置づけだったが、製品には変化や突出した優位性が乏しく、競争からの撤退は免れられなかったという。日本メディアの分析では、従来の電子製品の分野で、ソニーはコンピューター事業とテレビ事業を売却して安定した収益を実現した。スマホ事業の縮小はソニーの次なる目標であり、事業の枠組の調整が終わりに近づいたことを示している。

ソニーは3月28日、現在の平井一夫会長が6月18日をもって退任すると発表したが、上層部チームの要請により、その後もシニアアドバイザーを務めるという。(編集KS)

「人民網日本語版」2019年4月2日

  

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