中国国家重点研究開発計画「高解像度耐照射シリコン検出器の研究開発・産業化応用」プロジェクトがこのほど正式にスタートした。同プロジェクトは、海外製品の独占状態を打破し、独自の知的財産権を備えた「高解像度耐照射シリコン検出器」を初めて研究開発し、将来的には国防関連の特殊放射線測定設備や公共のX線を利用したセキュリティチェックなど、多くの分野に応用したい考えだ。中国工程物理研究院材料研究所への3月31日の取材で明らかになった。科技日報が伝えた。
現代テクノロジーのコア技術としての放射線検出技術は、「国の強力的な道具」として、公共のセキュリティチェック設備や国防建設、原子力開発・利用などの分野に広く応用することができる。中国のシリコン放射線検出器市場の製品は現在、ほぼ海外製による独占状態で、コア分野のブレイクスルーが急務な状況となっている。同プロジェクトの技術専門家グループのグループリーダーで浙江大学材料学院シリコン材料国家重点実験室の室長を務める中国科学院の楊徳仁院士は、「高解像度耐照射シリコン検出器は、放射線のモニタリングや高エネルギー粒子の検出、X線回折装置、セキュリティチェックなど広い分野に応用できる。当プロジェクトは、表面不動態化処理やイオン注入などのコア技術のブレイクスルーを重点とすることで、独自の知的財産権を備えた高性能シリコン放射線検出技術を確立し、基礎研究や技法のコントロール、器械の研究・製造、製品の研究開発、産業化などの各段階のコア競争力を向上させ、関連産業の発展を牽引することを目標としている」と説明した。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年4月1日