両会(全国人民代表大会・全国人民政治協商会議)期間中、全人代代表、中国科学院院士、中国科学院大連化学物理研究所研究員の楊学明氏は取材に対して、「次世代の『大連光源』は輝度がさらに高く、光子生成ペースは毎秒50回から100万回に向上し、平均輝度が1万倍になる。十分な輝度を持つ光源により、これまで見ることの出来なかった分野を観察できるようになる」と話した。科技日報が伝えた。
「大連光源」は世界初の極端紫外線の自由電子レーザー装置で、2017年1月15日に稼働開始した。その自由電子レーザーは分子の「映画」を撮影できる。楊氏は「大連光源は現在、安定的に可動しており、年内に中国科学院大科学装置プラットフォームに取り入れられる。今後は2つ目の大連光源を建設する一方で、次世代光源の研究を進める」と述べた。
楊氏によると、1つ目の光源は1ピコ秒(10−12秒)のレーザーパルスを生むが、これは偏向できない。2つ目の光源は数十フェムト秒(10−15秒)のレーザーパルスを生み、そしてすべての角度への偏向(光の角度)が可能だ。
「偏向にはアンジュレーターが必要だ。建設を開始した当初は予算がなかったため、稼働中のものは最も基礎的な光源だ。建設中の2つ目の光源はアップグレード版になる。大連光源をiPhone6とするならば、建設中の2つ目の光源はiPhone6Sで、研究中の次の光源は画期的な革新をもたらすファーウェイの折りたたみ式スマホと言える」と楊氏。
次世代光源の平均輝度は一気に4桁増え、すなわち1万倍になる。光子レーザーの生成ペースは毎秒50回から100万回に向上する。楊氏によると、より明るく視野が開けることで、より高感度の探査が可能だ。例えば超音速飛行機の燃焼の過程、それからレーザー発射の過程を観察でき、さらには極端紫外線を利用しチップのフォトエッチングの研究を行うことができる。
楊氏は「極端紫外線光源は十数ナノのフォトエッチング精度を実現できる。将来的にチップを製造方法の有益な補完になる」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年3月12日