インフルエンザの「肺外合併症」には、慢性中耳炎、ウイルス性心筋炎、無菌性脳炎、ライ症候群、トキシックショック症候群(TSS)などがある。だが、これらの「肺外合併症」は、人種と相関関係がある。アジア人はインフルエンザに対する抵抗力がやや高いため、「肺外合併症」を発症するケースは多くない。
また慢性の基礎疾患を患っている患者は、特にインフルエンザの感染予防を心がける必要がある。それでも、もし罹ってしまったら、発病期間はもともとの慢性基礎疾患が重くなったりあるいは合併症を患う可能性が高い。
例えば、慢性腎臓炎の患者がインフルエンザに罹患すると、細菌感染症を併発したり、インフルエンザ治療薬によってもともとの病気である腎臓病が重症化する恐れがあり、腎不全や尿毒症を発症するか可能性もある。心臓病の患者がインフルエンザに罹ると、高熱・咳・呼吸困難などによって、心臓への負担が増大し、心不全を発症する恐れがある。これらの合併症は、インフルエンザと直接の関係はないものの、インフルエンザが発端となって死に至る重要な原因となるケースが多い。
インフルエンザによる合併症の発生は、年齢と患者の免疫力とも関係がある。乳幼児や妊婦、肥満者、65歳以上の高齢者および慢性基礎疾患の患者は、免疫機能がやや劣るため、インフルエンザに罹患すると、肺炎や他の合併症に罹患しやすい。高齢のインフルエンザ患者が合併症に罹ると、死亡率は他の世代に比べかなり高くなる。中国の一部都市で2003年から2008年にかけて実施されたインフルエンザと死亡との関係をめぐる調査によると、インフルエンザが引き金となって死亡したケースの86%以上は、65歳以上の高齢者だった。
現在、中国の多くの地域もインフルエンザの流行ピークを迎えている。専門家は、「インフルエンザ患者には抗体が生まれるため、快復後、同じタイプのインフルエンザに同シーズンに再び罹患する可能性は低い。映画館・ショッピングセンターなど、多くの人が集まる場所や風通しの悪い場所に行くことは可能な限り避けること。どうしても行かなければならない場合は、必ずマスクを着用するように。このほか、手洗いの励行、予防接種、規則正しい食生活、疲れを溜めないことなどはいずれも、インフルエンザ予防に効果的だ」とアドバイスしている。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年1月22日
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