エアバッグのリコール問題で民事再生法の適用を申請した自動車部品メーカーのタカタが6月27日、最後の株主総会を開催し、株主190人が出席した。 2018年2月から、中国の寧波均勝電子が傘下に収める米自動車部品メーカーのキー・セーフティ・システムズ(KSS)が、再建者として、タカタのエアバッグ事業を引き継ぐ。その際に、KSSと今回株主総会に参加した株主とは何の関係もなくなる。日本の市場で発行されたタカタの株式が紙切れと化すのだ。(文 ・日本企業(中国)研究院執行院長・陳言)
世界最大の個人事業主
タカタは1933年に創業し、織物製造を開始した。そして、戦後に自動車用のシートベルトなどの製造を開始した。
数年前に筆者がタカタの関係者と会った際、「世界のエアバッグの5個につき1個は当社が生産したもの」と、とても誇らしげに話していた。
タカタファミリーが同社を完全に統制していたため、上層部の意見が会社の意志となっていた。閲覧できる株主会議のレポートなどを見ると、タカタファミリーは会社の経営に絶対的な権威を持っていた。そして、「事故の原因は不明で、その責任は自社にはない」というのがタカタファミリーの一環した考えだった。
タカタは、世界最大の個人事業主で、会長個人の意志で全ての判断を行っており、一旦その判断を誤ると、最終的にどうなってしまうのかについて、タカタは多くの人にたくさんの教訓を残してくれた。
日本メディアの報道によると、タカタの債権者は主に米国政府(415億円)、トヨタ(266億円)、タカタ国際金融(125億円)で、その他、三井住友銀行、三菱東京銀行なども多くの債権を抱えている。タカタが経営破綻したのに伴い、関連の債権回収も至難の業となってしまった。
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