東京でのこのような体験を通して、「コーヒーや生活のクオリティにこだわる消費者の心をつかむ」というブルーボトルコーヒーの基本的なコンセプトが生まれた。しかし、フリーマン氏は、ブルーボトルコーヒーが町中の小さな喫茶店にとどまるのではなく、クオリティの高いコーヒーという概念を世界に普及させたいと思うようになった。それを実現させる唯一の方法が、コーヒーチェーンの経営スタイルと本格派コーヒーが味わえる店の雰囲気を融合させることだった。
例えば、ブルーボトルコーヒーではコーヒー豆をオーダーメイド方式で仕入れ、自家焙煎(ばいせん)し、本格的なコーヒーを手頃な値段で提供している。また、店内は広々として静かで、カウンターはアイランド型になっており、大きな機械に遮られることなく、店員が客と近い距離でやりとりできる環境になっているところが大きな特徴だ。カウンターと座席の視線の高さも綿密に計算し、客が慌しい生活からしばらく離れ、ショーを見るかのようにバリスタの職人技をゆったりと見ることができるようになっている。
ブルーボトルコーヒーは現在、シリコンバレーの複数の企業から融資を受け、海外にも進出している。国外初の店舗を設置したのは、もちろんフリーマン氏にインスピレーションを与えた日本。現在、東京の新宿や六本木などに4店舗ある。いずれの場所も繁華街であるものの、「静かな隠れ家」という雰囲気を味うことができる。
中国の一線都市では現在、コーヒーチェーンが依然として市場で大きな位置を占めているものの、その中心街ではスペシャルティコーヒー店がますます人気を集めており、「セカンドウェーブ」と「サードウェーブ」の中間にあるといえる。しばらくすれば、「サードウェーブ」が中国のコーヒー業界に変化をもたらし、中国でその波をけん引する人物が登場する可能性も十分にあるだろう。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年5月5日
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