携帯電話による読書スタイルの普及と発展が進むにつれて、「デジタル読書のためにお金を払ってもよい」と考える人の数も増加している。報告によると、2016年、携帯電話で読書をする人が費やした読書費用は、1人あたり平均16.95元(1元は約15.9円)に達し、2015年比で5.76元増加した。魏院長は、「この5元の増加は決して小さな額ではない。中国では現在、携帯電話で読書する人は全体の7割近くを占めている。つまり、過去1年間で、中国の携帯による読書における消費額が30億元以上増加したことになる。この数字は非常に印象的といえる」と指摘した。
魏院長は、「携帯電話による読書を一概に非難すべきではない。携帯電話による読書の急成長は、全国民の読書全体をけん引する上で重要な役割を果たしている。電子書籍や各種読書アプリなど、質の高い読書コンテンツやプラットフォームの発展は、国民の読書率と読書の質の向上を強力に後押ししている」との見解を示した。
携帯電話による読書が急成長する一方で、今もなお紙メディアの読書スタイルを支持している中国人も半数以上を占める。中国人の読書スタイルのすう勢に関する研究から、成人の51.6%は、「紙メディアで読書する」傾向にあることが判明している。また、書籍の価格に対する成人の許容範囲もわずかながら高まりを見せている。
4月23日の「世界図書・著作権デー」が近づき、全国民において読書ムードがますます高まり、読書に対するニーズも日増しに拡大している。報告にもこの傾向が顕著に現れている。「自分の読書量は極めて多い」と自覚している中国人は、わずか1.7%にとどまっている。これは、圧倒的多数の人が自分の読書をめぐる現状に満足していないことを示しており、「もっと読書をしたい」という強い願望が反映されている。
そして人々を喜ばせているのが、過去1年間で0歳から17歳までの未成年の読書率が85.0%と、前年比で3.9ポイント上昇した点。未成年者の1人あたりの読書量は8.34冊と、同1.15冊増加した。読書習慣のある0歳から8歳までの子供がいる家庭のうち、親が子供と一緒に読書をする習慣がある家庭は90.0%に上った。これらの家庭では、親が子供と一緒に読書をする時間は、1日平均24.15分に達した。
魏院長は、「中国では、未成年者の読書率が大人を大きくしのいでいる。これは、国民にとって大いなる希望となる。また、若い親たちが子供と一緒に本を読むことを非常に重視している点も見逃せない。彼らは、子供と一緒に読書をすることにより多くの時間を費やしたいと願っており、その時間は、成人の平均読書時間を上回るほどだ。このことから、全国民が読書をするという明るい未来図を目にすることができるだろう」とコメントした。(編集KM)
「人民網日本語版」2017年4月21日
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