長い目で見れば新たな方向性を与えてくれる日本ドラマ
日本ドラマの原作ファンは、中国では少数派であるという現状を突破するために、人気アイドルを起用してその影響力を拡大させるのも一つの手だ。尚娜さんは、「問題のあるレストラン」を例に、まず初めにファンとなったのが主演を務めた人気女優・焦俊艶のファン。そのようなファンは、このドラマのオリジナル版は何かなどには関心を示さず、自分の好きな女優が新しいタイプの役に挑戦していることに関心を示す。「プロポーズ大作戦」の中国版も同じで、主演の人気俳優・張芸興がクランクアップしたことを伝えるメッセージを微博(ウェイボー)に投稿すると、ファンらが次々に転送。転送数とコメント数が十数万件に達した。
しかし、日本ドラマのファンは、「マニアックなスタイルの日本ドラマが、万人受けするスタイルでリメイクされると、そのオリジナリティがなくなってしまう」と懸念する声を挙げている。日本ドラマファンの小羽さんは、「中国の映画・ドラマのレベルでは、細かなところで表現する日本ドラマの製作レベルに全く達しておらず、役者の演技レベルも比べものにならない。日本ドラマは通常、10話ほどしかなく、人物設定や演技、セリフなど、どれも綿密に練られ、周到に準備されている。しかし、中国版になると、20話以上になり、水増しは避けられない」と指摘する。
それについても、尚娜氏は、「追い風に乗ってこの市場に入って来る資本があるのも確か。しかし、リメイク版が製作され、個性的な表現が特徴の日本ドラマは、映画・ドラマ業界に新たな方向性を提供してくれている。我々製作者は喜んでチャレンジしており、市場からもポジティブな反響を得ている。つまり、日本ドラマを見て新たなセンスが培われた視聴者がいるということ」と、楽観的な姿勢を示している。現在、「問題のあるレストラン」の中国版は14話まで配信され、ネット上での再生回数は1億回に近付いているほか、再生画像に流れるコメントの数も1話当たり10万件に達している。尚娜氏は、「日本ドラマのリメイク版は主流ジャンルにはならないかもしれないが、小さくてもクオリティが高いというのも貴重な存在」とそれらは一つのシグナルであるとの見方を示している。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年4月7日
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