中国インターネット協会シェアリングエコノミー業務委員会が3月に発表した中国初のシェアリングエコノミー発展報告によると、15年の市場規模は約1兆9560億元で、今後5年間の年平均増加率は40%前後になる見込みだ。これと同時に、シェアリングエコノミーはあらゆる分野、あらゆる産業へと拡張することが予想されるという。
絲路智谷研究院の梁海明院長は、「シェアリングエコノミー流行の核心は、『物はその用途を全うし、人はその才能を全うする』というところにある。未来にはあらゆる資源がこれまでのような仲介機関・サービスに対する依存から脱却し、最良の配置が追求されてコストが下がり、シェアリングエコノミーが新しい経済の原動力を生み出すものと期待される」と話す。
▽シェアリングエコノミーのメリット・デメリット 既存産業の秩序には打撃 監督管理法規がまだ不明瞭
新しい経済スタイルは必ずといっていいほど新しい問題を引き起こす。シェアリングエコノミーは資本の後押しを受けて高らかに快進撃を続け、昨年だけで同産業に集まった資金は1700億元を超えたが、それにつれて問題も表面化してきた。
消費者網の苦情報告プラットフォームがまとめた最新の統計によると、16年にはネットの自動車予約産業が苦情の集中する新たなホットポイントになった。苦情が最も多かったのは、費用の支払いに関する問題で、価格設定メカニズムが不透明、ピーク時期にはみだりに値上げが行われるなどのトラブルが頻出したという。
最先端のシェア自転車も同じように問題が絶えない。各大手プラットフォームでは保証金が返金されて口座に振り込まれるまでが遅いとか、資金の不足によって監督管理に問題が生じているとかいったトラブルが次々に発生した。
シェア自転車はメーカーにとっては朗報だが、小売店には打撃だ。広州市の自転車チェーンの責任者は、「シェア自転車の影響で、自分の経営する店が2カ所閉店に追い込まれた。私のみたところ、広州の大部分の自転車小売店は売り上げが軒並み減少している。特にロークラスの自転車の販売が大きく減少した」と話す。
無秩序な駐停車やレンタル自転車を痛めるといったマナー違反行為もしばしば見受けられる。
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