韓国のロッテグループがミサイル防衛システム「THAAD」の配備用地について韓国軍と合意を締結して以来、中国の政府とメディアは、韓国政府とロッテグループに対する批判を強めている。3月4日に『人民日報』に発表された評論記事は、韓国への「THAAD」配備に反対する中国の意志は固く、自身の安全と利益を守るために必要な措置を取るという立場にはいささかのあいまいさもないと論じた。
「鐘声」署名のこの評論記事は、4日の『人民日報』の第3面に掲載された。「鐘声」は、人民日報が外交問題について評論を発表する際にしばしば用いる署名である。
この記事はこう論じている。韓国企業のロッテグループがこのほど、ミサイル防衛システム「THAAD」の配備用地について韓国軍と合意を締結したことは、同グループが自ら、東北アジアの戦略的な駆け引きの複雑な局面に入り込んだことを意味する。韓国の一部のメディアが連日、中国がロッテを「封鎖」するのではないかと熱心に報道しているのも、彼らがあわてているからだ。
昨年7月に米韓が韓国への「THAAD」配備を決めて以来、中韓協力の民意の土台は大きく損なわれ、中韓は政治関係が冷え込んだだけでなく、経済・貿易や文化など各分野の往来も影響を受けた。予見できるのは、韓国が「THAAD」配備の推進に固執し続ける限り、両国間の各分野の協力はこれからもさらに大きな困難に遭遇するだろうということだ。
一部の韓国メディアが中国によるロッテグループの「封鎖」を批判していることについて、この記事は、中国は、外国企業が中国にやって来て投資・発展することを歓迎し、関連企業の中国における合法的な権益を法に基づいて保障するが、外国企業の中国での経営が成功するかは、最終的には、中国の市場と中国の消費者によって決定されると指摘する。ロッテグループは自ら、「THAAD」配備に協力することを選び、韓国政府を、隣国の戦略・安全の利益を損ない、地域の情勢を悪化させる間違った方向へと推し進めた。中国人消費者は自発的に、法律の許す範囲内で、ロッテに対して断固たる反応を示したのであり、これは事物の発展の必然的な法則にかなったことである。
この記事はさらに、一部の韓国の世論がロッテは「愛国的」だと考えている現象について、「THAAD」の韓国への配備に道をならすロッテの決定は、国を誤る典型的な措置だと指摘した。この措置は、朝鮮半島の非核化のプロセスには何の助けにもならないだけでなく、新たな衝突点を作り出し、半島全体の情勢をさらに悪化させるものとなる。それけではなく、米国のミサイル防衛システムに組み込まれれば、韓国は、さまざまな事について自ら決定することができなくなる。激しい衝突が一旦勃発すれば、韓国は重い傷を負わずにはいられなくなるだろう。(編集MA)
「人民網日本語版」2017年3月7日
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