日本メディアの報道によると、安倍晋三首相はこのたびの米国訪問からの帰国後、2019年度から23年度までの「中期防衛力整備計画」の策定に際し、「数千億円を拠出」して「ミサイル防衛システムTHAAD」を導入することを検討し始めたという。軍事専門家の尹卓氏は中国中央テレビ(CCTV)の取材に答える中で、「日本がTHAADを導入できるかどうかは米国の考え方次第だ。THAAD導入は日本にとっては弾道ミサイル迎撃技術を獲得する機会であり、米国にとっては形を変えた日本の『保護費用』(負担)の引き上げだ」と指摘した。人民網が伝えた。
メディアの報道によれば、日本の防衛省は近く新型迎撃ミサイルシステムに関するシンポジウムを開催する予定で、順調にいけば、次の「中期防衛力整備計画」に調達費用が組み込まれる。日本は以前にもTHAAD導入の意欲があるとのメッセージを発し、米国がアジア太平洋地域でグアム、韓国、日本を拠点としたTHAADによる迎撃ネットワークを構築するのに協力しようとした。先月13日には稲田朋美防衛大臣がグアムにあるアンダーセン空軍基地に装備されたTHAADシステムを視察し、「THAAD導入の具体的な計画はないが、一つの選択肢として何が可能か検討したい」と述べている。
尹氏は、「日本がTHAADを導入できるかどうかは米国の考え方次第だ。日本は単なる買い手であり、売り手が売るかどうかは未知数だ」と話す。
尹氏の説明によると、今世紀初頭、日本は米国にTHAADシステムの導入を正式に要請したが、米国は同意しなかった。THAADは最先端の終末高高度防衛ミサイルであり、「パトリオット・ミサイルPAC2」や「パトリオット・ミサイルPAC3」より技術のウェイトがかなり高い。また終末段階の弾頭迎撃技術は非常に先進的で、米国が日本に知られたくないコア技術も多数含まれている。
尹氏は、「安倍晋三首相がこの時期にまたTHAAD導入に言及すれば、米国は売ることを考えるようになる。米国は日本に『保護費』をより多く負担させたいが、日本にはそれが難しく、米国の装備をたくさん購入するという形を変えたやり方をするしかない。米国はこれまで技術面では日本に保留の態度を取ってきたが、10年が過ぎ、日本に一部の技術を開放し、最終的にTHAAD導入を認める可能性は排除できない」と指摘する。
まもなく韓国に配備されるTHAADシステムは米軍が操作を100%担当し、韓国は場所を提供するだけだ。だが日本は関連技術を完全に導入し、自衛隊に操作コントロールをさせたいと考える。尹氏は、「日本と領土問題がある国には、いずれも日本より高い弾道ミサイル技術の蓄積があり、THAAD導入が日本にとって飛躍を遂げるチャンスであることは間違いない」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年2月22日
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